『Self-Reference ENGINE』という小説のやってることが「ゆらぎの神話」そのものだという話をid:hakumaのウエ紙さんから聞いていたんですけれど、調べてみたらそのものズバリ著者のサイトでゆらぎの神話への言及があっておったまげたという話。 常にこちらの想像の枠外を行く、ありえない作品群だと思います。私たちの想像を凌駕する作品というのは、数は少なくとも存在しないわけではありません。グレッグ・イーガンさんや飛浩隆さんなど、常人にはとても追いつけないような圧倒的な想像力をもって遥かな未知世界を描き出す作家はいます。 でも、本書に込められた想像力は、上に挙げたような類のものとは少し趣が異なる気がします。本書が読者に与える衝撃は「どうしてこんなアイデアを思いつくことができるんだ」という種の驚きというよりも、「どうしてこんなアイデアで小説を書く気になれるんだ」といった感じの半分呆れま