「ノート・パソコンを持ち出し禁止にするなど、極端に効率性を犠牲にするセキュリティ強化には意味がない」。竹中工務店グループで建物の総合管理を手がける、アサヒ ファシリティズの河野雅英IT管理室長はこう語る。「セキュリティ対策にルールの作成や順守は欠かせないが、業務効率が大きく下がるルールを作ってしまうと、必ず隠れて違反する社員が出てくる。守られないルールなら、作らなくても同じ」(同)。 こうした考えのもと、アサヒ ファシリティズは現在、営業担当者などが持ち歩くノート・パソコンと社内のデスクトップ・パソコンのセキュリティ対策を進めている。「業務の効率性を保ちつつ、想定できるあらゆる事態に対処できるよう心がけた。表玄関にカギをかけても、裏口が開いていたらダメ。セキュリティは、全方位で考える必要がある」(河野室長)。 同社はまず、社内にウイルスを持ち込めないようにする仕組みを作った。最新パッチを適