大型のサメを捕獲して殺処分するという政策は、数多くの理由から物議を醸している。こうした政策は、食物連鎖の頂点にいるサメを除去することで海洋生態系に大きな混乱をもたらすだけでなく、非対象の種も意図せず捕獲することになり、科学的根拠を欠くことが多い。ニューカレドニア政府が昨年、オーストラリア人観光客の死亡事故を含む一連の事故を受けてサメの大量処分を決定すると、各方面から激しい憤りの声が上がった。 サメの行動生態学を専門とするヨハン・ムリエは「大量殺処分の政策がうまくいくことはめったにない。サメの事故を巡る人々の感情をなだめるのに役立つだけだ」と批判した。ニューカレドニアの先住民族カナックの文化でもサメは神聖視されており、多くの人々が捕獲に反対している。海洋生物学者ジャンバティスト・ジュエルも、サメはカナックの人々にとって文化的に重要な存在であり、大切にすべきだと訴えている。 地元の環境保護団体