直径80メートルの大型風車が海に浮かぶ、いよいよ福島沖で試運転へ:世界に先駆ける洋上プロジェクト(1)(1/2 ページ) 福島県の沖合18キロメートルの洋上で進められてきた風力発電所の設置作業がまもなく完了して、10月中に試運転に入る予定だ。世界でも有数の浮体式による大型風力発電設備の実用化に向けて、5年間の実証プロジェクトの後半が始まる。合わせて変電設備も浮体式で洋上に建設する。
このコラムについて 福島沖約20キロの海上で、世界初の本格的な浮体式洋上風力の実証研究事業が進んでいる。三菱重工業や日立製作所、ジャパンマリンユナイテッドなど日本代表する企業10社と東京大学が参加する「オールジャパン」のプロジェクトだ。事業は2期に分かれており、2014~2015年の第2期が完了すると、発電能力2メガワットの風車1基と7メガワットの風車2基が発電する巨大なウインドファームが出来上がる。2013年3月末、地元漁協との話し合いがようやくまとまり、現在は着々と建設が進む。この巨大プロジェクトを率いるのが、丸紅の福田知史・国内電力プロジェクト部・部長だ。9月に予定している第1期完成までの経過を、工事の進行に合わせて福田部長に“実況解説”してもらう。 記事一覧
福島県沖に世界初の浮体式洋上ウインドファームを造る――。東日本大震災から半年がたった2011年9月ころ、初めてこの巨大プロジェクトの構想を聞きました。正直なところ、最初の印象は「そんなことできるの?」「やる人いるの?」というものでした。 日本は再生可能エネルギーについては後進国です。世界では、発電コストが安価な風車は再エネの中心。ところが日本に建っている風車の本数は少ないし、当時は着床式の洋上風力もほぼ皆無でした。 それなのに一足飛びに、技術的にできるかどうかもわからない浮体式を福島県沖に建てるといいます。政府主導で原子力発電所事故後にふって湧いた巨大プロジェクトに、風車業界は及び腰でした。 ですが、この巨大プロジェクトは、いままさに、現実のものとして進行しています。なぜでしょうか。丸紅の名物プロジェクトマネージャーが「俺がやってやる」と手を上げたからです。 その人こそ、この連載の主人公で
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