ヒトの腸内には体外より取り込まれた窒素、酸素などの気体に加え、微生物により生成されたメタン、水素等より成る腸内gasが存在する。これらの大部分は腸壁より吸収されるが、一部が肛門より排出され、一般には屁、おならなどと呼称される。 平均的な成人で通常0.5から1.5Lを5回から20回に渡って放出するとされ、20times/day程度の頻度は正常範囲内にあると推定される。したがって、この程度の放出回数をもって「よく屁をこく」、「屁こき」などと揶揄することは極めて不適切であると考えられる。 尚、腸内gasの9割程度は体外から取り込んだ気体であり、無味無臭かつ無害である。微生物由来の気体も多くは無臭であるが、一部に臭気をもつ気体があり、これが放出されたgasの臭気のsourceとなっている。 腸内gasが肛門より放出されると、直後には高濃度のgasが肛門近傍に存在するが、やがて分子運動により拡散する