それは世界の市場の大きな皮肉の1つだ。ソブリン債に関する不安がある時に、外国人による日本国債(世界で最も借金の多い国)の保有高が今ほど多かったことはないのだ。 日銀が先月公表した統計は、海外の投資家の国債保有残高が9月末時点で過去最高の75兆7000億円となり、1年前の57兆9000億円から3割近く急増したことを示していた。 債務残高全体に占める海外投資家の保有割合は8.2%と、過去最高だった2008年第3四半期の8.5%と大差ない水準になっている。 財務省で国債管理政策を担当する野田恒平氏は、日本政府は2005年以降、外国人投資家への債券の売り込みを通じて「積極的な多様化政策」を追求してきたと言う。 海外の政府系ファンド、中央銀行、年金基金、生命保険会社に債券の購入を勧めることで、外国の投資家が世界第2位の公債市場で長期利回りを低位に抑えることに貢献してくれる、という理屈だ。財務省は、中