2018年10月08日21:02 カテゴリ経済テクニカル 【再掲】ローマーの内生的成長理論 ポール・ローマーが、スウェーデン国立銀行賞を共同受賞した。彼の「内生的成長理論」はソロー以来の成長理論のイノベーションで、1990年代には一世を風靡した。今は使われないが、歴史的には妥当な授賞だろう。成長の要因を「知識の外部性」に求める発想は重要で、「生産性」の意味を考える上で政策的な含意も大きい。経済成長の要因は大きくわけて、資本と労働と生産性の3つである。初期の新古典派成長理論では資本と労働だけを考え、物的資源配分の効率性が成長を決めると考えた。この点では、「無政府的」な資本主義より資源を重化学工業などの戦略分野に傾斜配分できる社会主義のほうがすぐれている。Tyler Cowenも紹介するように、1960年代のサミュエルソンの教科書では、21世紀にソ連のGDPがアメリカを抜くと予想していた。 も