(英エコノミスト誌 2011年2月26日号) 食糧価格が高騰している原因は何か、そして、どんな対応策が取れるのか。 世界中で食糧システムが危機に陥っている。食糧価格が高騰し、今では実質ベースで1984年以来の高値をつけている。懸念されているように、干ばつによって中国の小麦の収穫が被害を受ければ、価格はさらに上昇する可能性がある。 食糧は、中東の民衆蜂起でも一定の役割を果たした(どの程度か判断するのは難しい)。値上がりによって、毎晩空腹を感じながら眠りにつく人の数は数百万人増えている。 今回の食糧価格の高騰は、4年足らずの間で2度目の出来事だ。企業は警鐘を鳴らしており、世界の主要国から成るG20諸国は2011年のやるべき仕事のリストのトップに「食糧安全保障」を挙げた。 こうした関心は歓迎すべきである。だが、現在の価格高騰は、より幅広い懸念要因の一部に過ぎない。各国は食糧に焦点を当てる際に、3