いま、だれかをいじめている君に伝えたいことがあります。 君は、ひょっとすると、家でつらい思いをしたり、以前に自分自身がいじめられたりして、嫌な経験をしたことがないだろうか。 そのはけ口として自分より弱い相手や、すでにいじめられている友達に対していじめたいという気持ちになっていないだろうか。 私は、仕事で、そういう例をたくさん知っています。 君のような気持ちは、実は、特別なものではありません。その証拠に、いじめは大人たちの世界でもよくあることなのです。 だれかをいじめると、ときには気分がよくなってしまうことがあります。進んでだれかをいじめなくても、いじめる側にいると、自分が安心できる面もあります。 でも、人をいじめることで得られる安心感は、たしかなものではありません。それをやめると、今度は自分が、いじめられるかもしれないという怖さがあります。実際はひどく不自由な気持ちで暮らすことになります。