赤ちゃんを泣きやませるために強く揺さぶり、脳障害が起こったり死亡したりする「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」を防ごうと、奈良県内の4自治体が今年度から、出産を控えた両親に赤ちゃんの泣き声を聞かせる取り組みを始めた。泣き声に慣れることで、驚いたりイライラしたりしないようにするのが狙い。新米パパ、ママからは「落ち着いて対応できた」などと成果が報告されている。 厚生労働省研究班によると、07年度に児童相談所などが把握したSBSの被害児数(疑いも含む)は、生後8日〜3歳9カ月の118人。このうち8人が死亡、34人に後遺症が残った。 奈良県は昨春、子育ての現状を把握するため、有識者や母親に聞き取り調査を実施した。その結果、赤ちゃんの泣き声にストレスを感じる親が多いことが分かり、出産前の両親に泣き声を聞かせるプログラムを今年3月に作成。奈良、葛城、宇陀の3市と安堵町が「両親教室」などで導入した。 プ