愛媛県宇和島市の伊達家の古文書から、宇和島藩主や家臣らが、京都と大坂の著名な歌人や俳人から通信教育で添削を受けた和歌、俳句などが見つかったことが21日、分かった。国文学研究資料館(東京)の調査員は「江戸期の通信添削の実態や、家臣も文芸をたしなんだことを示す貴重な史料」と評価している。 宇和島藩は伊達政宗の長男、秀宗が初代藩主。8代藩主の宗城は高野長英を匿い、村田蔵六を世に送り出すなど「幕末の4賢候」と呼ばれた。伊達家の資料総数は約6万点、うち約1万8000点が同市立伊達博物館に保存されている。 見つかったのは、藩の家老・桜田親翰(ちかもと)らが京都の冷泉家や里村家、さらに大坂の俳句結社として著名だった八千防や一炊庵の宗匠たちから添削指導を受けていたことを示す、懐紙などの諸史料100点余り。 親翰の和歌には、手直しを受けた歌の部分が張り紙で示されていた。また俳句には朱で添削が書き込まれ