HOME 長編ドキュメント統一協会信者「脱会」後の重い十字架 書かれざる「宗教監禁」の恐怖と悲劇 「合同結婚式」「霊感商法」で世の指弾をうける統一教会。 しかし、信者教出の名のもと行われる違法な監禁は許されるのか。 拉致を先導する家族と信者の切れた絆は恢復するのか。 カルトを追い続けるライターの異色レポート 米本和広(ルポライター) 家族や親戚から親しみをこめて、「あーちゃん。」と呼ばれていた宿谷(しゅくや)麻子(40歳)が、アパートに閉じこもるようになって、どれだけの歳月、が経つのだろうか。 私が麻子にはじめて会ったのは2年前の夏だった。彼女の肌は、首まわりと手首から二の腕にかけてアトピーによる赤茶色の湿疹で覆われ、皮膚のところどころが鱗状に固まっていた。思わず目を背けてしまったことを、今でもよく覚えている。 麻子の一日は、大半が抑鬱状態で、「なにかあると突然、頭が高回転して止まらなくな