新年から着々と萩尾望都を読み返しております。 読み返していると「あれ、こんなのあったかな」という短編があったりして、なんの気なしに読み返してギョッとさせられるのがいいですね。 「かわいそうなママ」という短編があります。 六歳くらいとおぼしきかわいらしい男の子が母親を窓から突き落として殺す話。 『かわいそうなママ』萩尾望都 「ママ」であるエスタには恋人があったのだけど、何かの都合で離れ離れになり、その間にエスタは十五歳年上の男性と結婚、息子ティモシーをもうけます。 ティモシーが生まれてすぐの頃、元彼は一度帰ってくるのですが、すでに結婚しているのを知って、追いすがるエスタを置いて去る。 エスタはそれから死んだように生気なく毎日窓から外ばかり見て暮らすようになるのです。 ママが幸せでないことに気づいて殺してあげる、六歳になったティモシー君。 訃報を知らせて帰ってきた元彼に六歳児は淡々と真実を話し
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