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ブックマーク / apeman.hatenablog.com (12)

  • 国会図書館「デジタルコレクション」の恩恵 - Apeman’s diary

    著作権が消滅した資料をデジタル化して利用可能にする国立国会図書館の「デジタルコレクション」が近年大幅に拡充されたことはご存じの方も多いかと思います。国会図書館に出向かなくても自宅から閲覧できる資料が増え(利用者アカウントは必要なケースが多いですが)ています。戦前戦中期の文献だけでなく、意外と新しいものも閲覧可能になっていますので、アジア太平洋戦争の従軍記や部隊史など、古書店をまわるか所蔵している図書館を探すしかなかった文献も利用可能になりました。 たとえば第十軍の憲兵だった上砂勝七憲兵少将(敗戦時)の『憲兵三十一年』もこの通り自宅にいながらにして閲覧できるようになっています。かつては地元の図書館を通じて国会図書館から複写を依頼していたことを考えるとずいぶん楽になりました。 『憲兵三十一年』奥付 雑誌『偕行』も閲覧できますので、連載「証言による南京戦史」も自在に読めるようになりました。 『偕

    国会図書館「デジタルコレクション」の恩恵 - Apeman’s diary
  • 元「慰安婦」の証言を否認しなかった警察 - Apeman’s diary

    8月5日の『朝日新聞』の特集記事では次の論文が援用されていました。 藤永壮、「戦時期朝鮮における『慰安婦』動員の『流言』『造言』をめぐって」、松田利彦ほか編『地域社会から見る帝国日と植民地 朝鮮・台湾・満洲』、思文閣出版、 2013年 執筆者である藤永壮・大阪産業大学教授の講演会に先日行ってきたのですが(冒頭で永井和さんにも「先輩」として言及されていました)、講演でも援用され、上記論文でも扱われているある資料についてご紹介いたします。 問題の資料は「流言蜚語者処罰ニ関スル件」(京高秘第二三〇三号、1939年9月13日)という、京畿道警察部長名義の文書です。表題の通り流言蜚語の取り締まり状況を記録した文書ですが、その中に1938年の3月から翌39年の8月まで南京の「慰安所」にいた女性の取り調べ記録が含まれています。この女性は「第一線の娼妓は軍人と共に戦争に参加したることありて実に危険」(

    元「慰安婦」の証言を否認しなかった警察 - Apeman’s diary
  • 「慰安婦」問題否認論者に欠けているのは「自由意志」についての常識的な洞察 - Apeman’s diary

    今年の5月、「NEWSポストセブン」の「慰安婦」問題否認論記事について私は次のようにコメントしました。 おそらくこれを書いたライター、および何の疑問も持たずにこれを掲載した編集者、何の疑問ももたずに読んだ読者たちは、人身売買の被害者を買春することにたいして何の後ろめたさも持たないのでしょう。「人身売買? 売ったやつが悪いんだろ。えっ? お前も買ったじゃないかって? いや、オレはただフーゾクを“活用”しに来たらたまたまそういう女にあたっただけだって」といった具合に。だからこそ、国家が人身売買システムを「制度化」して公式に利用することのグロテスクさに気づかないわけです。 こういう具合に、歴史修正主義の背後にある発想を推理するエントリを書く度に、ご丁寧にもそれを裏付けてくれるネット右翼が現れるのが恒例のパターンになっていることは、当ブログの常連の読者の方ならよくご存知のことと思います。いまコメン

    「慰安婦」問題否認論者に欠けているのは「自由意志」についての常識的な洞察 - Apeman’s diary
  • 恐るべき朝日新聞の洗脳力 - Apeman’s diary

    前エントリの最後に言及した id:ks1234_1234 なんかがある意味典型なんだけど、彼らって絶対に「じゃあ、こちらも吉田清治についての朝日の報道を調べてあいつの鼻を明かしてやろう」とは思わないんですよねぇ。まあ、調べたら調べたで、こういう結果になるわけなんですが……。 1983年11月10日、朝日新聞、朝刊 Wikipedia で「吉田清治」を参照すると「1983年11月10日には朝日新聞が「ひと」欄で吉田清治の謝罪碑活動を紹介した」と、さも大事のように書いてありますが、もちろん「ひと」欄のことですから紙面全体の中ではこんな感じでしかありません。 ネトウヨが信じるかどうかはわかりませんが、この記事には「慰安婦」の3文字は登場しません! 炭坑や土木現場での労働のために朝鮮人を送り込んだ、という「体験」が語られているだけです。 ところでネトウヨの皆さん、朝日新聞は何度くらい吉田清治氏を紙

    恐るべき朝日新聞の洗脳力 - Apeman’s diary
    amanoiwato
    amanoiwato 2014/09/24
    この件で朝日をバッシングしている人たちほど、朝日を過大評価しているよね。
  • 山本五十六教の恐怖 - Apeman’s diary

    すいません、タイトルは一つ前のエントリにあわせたかっただけです。ただ、まるで無根拠かというとそういうわけでもありません。 昨晩放送された NHK BS1 の「山五十六の真実」。海上自衛隊によるミッドウェー洋上慰霊祭の様子(今年5月)が紹介されているのだが、その際の練習艦隊司令官の挨拶に曰く、「祖国の繁栄を念じつつ奮闘された姿は、今なお我々の心に深い感銘を与えて止みません」。「顕彰」の意図を隠そうともしてませんでした。当時の日人が追求したのは、中国をはじめとするアジア諸国の犠牲の上に建った「繁栄」だったわけですが。 このように旧軍との連続性を公言してはばからないのは陸自も同じだったりしますが、海自の場合「海軍善玉史観」が強調した「良識派」の海軍軍人の存在によってよりいっそうスルーされてきた感がなきにしもあらず。エントリタイトルがまるで無根拠というわけでもない、という理由です。

    山本五十六教の恐怖 - Apeman’s diary
  • そして悪しき“伝統”は引き継がれ…… - Apeman’s diary

    防衛大の学生がいじめの加害者である上級生・同級生を刑事告訴した、という件はみなさんすでにお聞き及びのことかと。「Bussiness Journal」で配信されている記事で紹介されていた防大OBの現役幹部海上自衛官のコメントがひどいです。 その一方で、同じく防大OBで現役幹部海上自衛官は、「こうしたいじめに耐える、いじめられないように立ち振る舞うことも自衛官としての修行になる」と話す。 「そもそも、いじめに遭うのは動作が緩慢な者か、やたらと正論を吐く理屈っぽい者が多い。自衛隊のような戦闘組織は命令一下、たとえ理不尽な命令でも率先して動かなければならない。動作が緩慢な者はいざというときに組織の足を引っ張る。海外からの侵略や震災などの有事の際は、『何が正しいか』を議論している間に、事態が深刻化することもある。人の考え方を自衛官らしく矯正し、もし向いていないと判断するならば、別の進路を考えさせる

    そして悪しき“伝統”は引き継がれ…… - Apeman’s diary
    amanoiwato
    amanoiwato 2014/08/12
    理不尽な命令にも何ら疑問を持たず、率先して効率良く実行し組織に多大な貢献をしたアドルフ・アイヒマンという人もいましたね。
  • 主観的願望を客観的現実とすり替える伝統 - Apeman’s diary

    NHK NEWSWeb 1月5日 「米国防長官「日は周辺国と関係改善を」」 すでにいろんな人が言及していますが。 安倍総理大臣が靖国神社に参拝して以降、アメリカの閣僚の発言が明らかになったのは初めてですが、声明にはアメリカ政府の公式見解だった「失望」ということばが使われていないことなどから、日に対して一定の配慮を示したという受け止めも出ています。 相手の考えていることがいくら自分にとって不都合であっても、とりあえず「相手が何を考えているか」はそのままに理解するのでなければ外交なんてできないわけですが。自分にとって都合のよい意向をアメリカのメッセージから勝手に読みとったあげく戦争に負けた、という歴史をすっかり忘れてしまっているようです。

    主観的願望を客観的現実とすり替える伝統 - Apeman’s diary
    amanoiwato
    amanoiwato 2014/01/06
    『相手の考えていることがいくら自分にとって不都合であっても、とりあえず「相手が何を考えているか」はそのままに理解するのでなければ外交なんてできない』
  • 「証拠を出せ? 出したらちゃんと自分の目で見るんだろうな?」その1 - Apeman’s diary

    一週間ほど前に、私のツイッターアカウントあてにネトウヨが「南京虐殺の証が有れば教えてくれる?」などとメンションを送ってきたので、定番の資料集リストを第一弾として提示したうえで「全部読み終わったらまた連絡ください。続きを教えます」と返答したところ、速攻で「転進」をはじめるというお決まりの結果となりました。ツイートをいくつか削除しているようですが、その削除されたツイートでは「この手の証言はずいぶん見てきたけど」「君の証と言うのは証言のみなのか?」だのと、ご丁寧に自らの無知を晒すハッタリをかましてくれていました。 これがまったく特別な事例でないことは当ブログの読者の方であればよくご存知だと思います。南京事件にせよ、旧日軍「慰安所」制度にせよ、ネトウヨはそもそもどれほどの「証拠」が積み重ねられているかすら知ろうとしませんので、「資料集」として編纂され刊行されている「証拠」を突きつけられただけでも

    「証拠を出せ? 出したらちゃんと自分の目で見るんだろうな?」その1 - Apeman’s diary
  • 「朝日新聞の捏造」論について - Apeman’s diary

    一昨日に国会で衆議院議員・中山成彬が開陳したという「慰安婦問題」=朝日新聞の捏造説についてはすでに法華狼さんと scopedog さんがエントリを書いておられます。 http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20130309/1362848490 http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130309/1362849412 私も過去に何度か「朝日捏造」説について取り上げていますので、ご参考までに。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20111221/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20120812/p1 「たった一の記事で世界を変える」というのはジャーナリストの夢じゃないかと思うのですが、植村隆記者にしてみれば「そこまで買いかぶられても……」というところではないでしょうか。 この「

    「朝日新聞の捏造」論について - Apeman’s diary
  • 「成立の余地があるか」否かで言うのなら、「人口20万人」説は「犠牲者30万人」説以下 - Apeman’s diary

    相変わらずネットではちょくちょく「人口20万のところで30万人殺せるはずがない」論法を読まされるわけですが、国際安全区に集まった難民の数についての委員会の推定を信頼する限り(もちろん否定派はそういう前提に立っているはずです)、「人口20万」説が成立する余地はありません。ゼロです。なにしろこの説は (1) 10万人ないしそれ以上の規模の中国軍将兵を無視しており、かつ (2) 安全区の外に残留していた南京市民(その総数を明確に示す包括的な資料はないが、個別の証言、証拠はいくつもある)を無視しているからです。そしてこの2点を無視することが不当であることは自明である以上、不当な主張を平気で主張できるものだけが「人口20万」説を口にできるわけです。 他方、「30万人殺害は不可能」という主張の最大の論拠が「人口20万」説だったわけですから(ほかにも「原爆でも使わないと不可能」論とかがありますが、どれを

    「成立の余地があるか」否かで言うのなら、「人口20万人」説は「犠牲者30万人」説以下 - Apeman’s diary
  • 河村発言があぶり出したこと - Apeman’s diary

    河村たかしが南京事件否定論者であることについては当ブログで繰り返しとりあげてきたため、先週彼の口から発せられた与太についても驚かなかった(発言した機会についてはさすがに少し驚いたものの)のだが、その後一週間のマスコミ及びネットでの反響によって、改めて問題の根の深さと深刻さを思い知らされた。この社会は、質的に言って最低レベルの歴史修正主義すらきちんと批判できないのだ。 「河村たかし名古屋市長「南京事件は無かった」発言を訂正-南京事件関連人気ランキング」 河村たかしの釈明を批判している記事なのだが、そのなかにこんな一節がある(強調は引用者)。 昭和史研究の権威である秦郁彦氏ですら、史料に基づく数ではなく「推論」でその数を主張しているのが現状だ。 この人が中公新書の『南京事件』を読んだことがないのはまず間違いない。あのを読んで「史料に基づく数ではなく」なんてことが言えるはずはないから。また、

    河村発言があぶり出したこと - Apeman’s diary
  • 吉田裕による『餓死した英霊たち』評 - Apeman’s diary

    すでに青狐さんが紹介しておられるように、2月号の『論座』で吉田裕が藤原彰の『餓死した英霊たち』(青木書店)の書評を書いている(320-321頁)。2001年に刊行された書評がいまなぜ? かといえば「書棚の奥から」という新刊書を対象としない書評欄だからである。 私が『餓死した英霊たち』を読んだ際に書いたエントリはこちら。このエントリで私は『餓死した…』から次の一文を引用した。 戦死よりも戦病死の方が多い。それが一局面の特殊な状況でなく、戦場の全体にわたって発生したことが、この戦争の特徴であり、そこに何よりも日軍の特質をみることができる。悲惨な死を強いられた若者たちの無念さを思い、大量餓死をもたらした日軍の責任と特質を明らかにして、そのことを歴史に残したい。大量餓死は人為的なもので、その責任は明瞭である。そのことを死者に代わって告発したい。それが書の目的である。 最後の「それが書の

    吉田裕による『餓死した英霊たち』評 - Apeman’s diary
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