河村たかしが南京事件否定論者であることについては当ブログで繰り返しとりあげてきたため、先週彼の口から発せられた与太についても驚かなかった(発言した機会についてはさすがに少し驚いたものの)のだが、その後一週間のマスコミ及びネットでの反響によって、改めて問題の根の深さと深刻さを思い知らされた。この社会は、質的に言って最低レベルの歴史修正主義すらきちんと批判できないのだ。 「河村たかし名古屋市長「南京事件は無かった」発言を訂正-南京事件関連本人気ランキング」 河村たかしの釈明を批判している記事なのだが、そのなかにこんな一節がある(強調は引用者)。 昭和史研究の権威である秦郁彦氏ですら、史料に基づく数ではなく「推論」でその数を主張しているのが現状だ。 この人が中公新書の『南京事件』を読んだことがないのはまず間違いない。あの本を読んで「史料に基づく数ではなく」なんてことが言えるはずはないから。また、