【香港=比嘉清太、向井ゆう子】香港政府のナンバー2、林鄭月娥・政務官は9日夜、記者会見し、行政長官選挙の民主化を求めて中心部の大通りの占拠を続けている民主派系学生組織と10日に行う予定だった正式対話を中止すると発表した。 双方は、対話の場所などを巡って詰めの調整を続けていた。事態を打開するための対話が中止されることで、国際金融センター香港の混乱が収束するか不透明感が一層増している。 林鄭月娥氏は、この日の会見に先立って学生側が「(政府への)非協力運動を行う」と発表したことを批判。「対話の基礎が揺らいだ」と強調し、対話を「暫定的に、行わないことを決めた」と述べた。 これに対して、学生側はその後の記者会見で、「一方的な対話中止の発表に失望している」と反発した。ただ、「対話の道は閉じてはいない」とも語り、引き続き対話を模索する姿勢は示している。