万葉集(五) (岩波文庫) 作者: 佐竹昭広,山田英雄,工藤力男,大谷雅夫,山崎福之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/03/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る まだ本書を詳細に検討しているわけではないのですが・・・ 巻十八・4073歌前書簡。この書簡の「先の書に云はく・・・」の「先の書」について、新大系はこれが大伴家持か大伴池主か「二人のどちらの書状か不明」(210頁)と慎重な態度をとっていましたが、文庫本では「万葉集に載せられていない、家持の書状であろう」(53頁)と、通説を追認するかたちになりました。 巻十八・4134(題詞「宴席詠雪月梅花歌一首」)。雪・月・花を作品内に詠みこむ例として、新大系は白居易「寄殷協律」を挙げていましたが(256頁)、さすがに時代が下るということでしょうか、文庫本では南北朝時代の庾肩吾「和徐主簿望月」の例を挙げています(