ダンシング・ヴァニティ 作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 121回この商品を含むブログ (99件) を見る 「君は明晰夢の話をしてくれたが、これは夢だと自覚できる明晰夢というものがあるのなら明晰現実というものもあっていい筈で、あれはおれにとって明晰現実だった。映画監督が射殺されたこともおれには明晰な現実だし、それが現実であることもおれは明晰に意識していた。しかしそうしたこと全体が夢であるとするのなら、もはや何もかもぐちゃぐちゃで、何がなんだかわからない」 「その君の混乱は簡単に解決できるよ」川崎医師はきっぱりとそう言ってから断言した。「すべては現実なんだ」 (本書p67〜68より) 本書は筒井康隆の”らしさ”が炸裂した作品です。これまで筒井作品でなされていた試みに、「ゲーム的リアリズム」の視点が加わることによって物