故黒澤明監督作品の廉価版DVDを販売されて著作権を侵害されたとして、東宝と角川映画が、制作会社に製造と販売差し止めを求めた訴訟の控訴審判決が30日、知財高裁であった。田中信義裁判長は、著作権侵害を認め、販売差し止めを命じた1審東京地裁判決を支持、制作会社の控訴を棄却した。制作会社側は上告する方針。 対象は「生きる」「羅生門」など昭和18〜27年公開の10作品。田中裁判長は、1審同様に「黒澤監督は著作権者の一人で、著作権法の規定で著作権は、黒沢監督の死後38年間である平成48(2036)年まで保護される」と判断した。 10作品が適用される旧著作権法では、著作権の保護期間が、著作者を個人とした場合(死後38年)と、団体の場合(公表後33年)で異なるため、著作者が黒澤監督個人であるか否かが争点だった。