13日、北朝鮮の国営メディアは、金正恩体制において実質的な「ナンバー2」とみなされていた張成沢・国防委員会副委員長が「処刑」されたと一斉に報じた。罪名は「国家転覆陰謀行為」。かつての我が国で言えば「大逆罪」に相当し、極刑は当然という流れに国際世論の中でもなりつつある。 私の研究所が発行している公式メールマガジンにおいても述べたことなのであるが、かつて我が国の対北朝鮮外交の最前線を担ったことのある者の一人として、私はこの「処刑」、あるいは「粛清」劇に大きな疑問を抱いている。無論、北朝鮮という国柄を考えれば結局のところ「真相」は闇の中である。「今回は銃で処刑された」と言われるかもしれないが、処刑シーンや亡骸が公開されたわけではないのである。またそもそも政治的に主要な役割を担っている人物については「替え玉」がいるのではないかとの分析すらかねてからあるのが北朝鮮なのだ。今後仮に「張成沢の亡骸」なる