5月30~31日、シンガポール。今年の「アジア安全保障会議」ではちょっとした異変が起きた。これまでは中韓の学者が場違いの対日「歴史問題」批判を繰り返し、日本が槍玉に挙げられることも少なくなかった。 ところが今回は日本の存在感が際立っていた。安保関連の民間国際会議で日本がこれほど注目されたのは恐らく初めてではないか。 逆に言えば、中国が「対中懸念」大合唱のなか、全面的に孤立したということ。日本では中国の反日プロパガンダ、特に三戦(輿論戦、心理戦、法律戦)の脅威を強く警戒する声が高まっていたが、今回は中国対外広報戦略の致命的欠陥が露呈したようだ。というわけで、今回のテーマは中国「三戦」の実態である。 シンガポールでの四面楚歌 日米はもちろんのこと、オーストラリア、ベトナム、タイの国防相までが、表現ぶりに濃淡はあるものの、「地域の緊張を高める」中国を口々に批判し、議場では「深刻な懸念」や「国際法
Tiananmen, or Gate of Heavenly Peace / Mal B ■とっくに「風化」していた天安門事件 2014年6月4日、天安門事件25周年を迎えました。メディアの関連報道が乱打される中、作家の安田峰俊さんが興味深いツイートをしています。 天安門関連の新聞社説とかNHK見てるとむなしくなってくる。「事件は風化せず」「社会の矛盾と当局への不満はかつてなく高まり」「ネットを武器に中国を変える動きが…」。なんというかな、「今年はほんまいけるで阪神」「新外人はバースの再来や」と毎年書いてる阪神暗黒時代のスポニチ大阪版みたい — 安田峰俊(迷路人) (@dongyingwenren) 2014, 6月 4 そろそろ思い切って言おうよ ⇒「天安門、もう風化してて今日が何の日か知らない人多数、庶民が名前も知らないインテリが内外でたまに勉強会する程度です。一方、習近平政権は多難で
先週末のシンガポールでの「アジア安保会議」は大成功だったようだ。日本の首相が初日の夕食会で基調講演を行い、それが高く評価されるなんて過去に記憶がない。今週はこの話から始めよう。 そもそもこの「会議」、公式の国際会議ではない。英国有力シンクタンクが毎年主催し、一昔前まではアジア各国の国防相が参加する中規模のシンポジウムに欧米の一部元首・閣僚が参加する「知る人ぞ知る」会合だった。 隔世の感とはこのことだろう。お世辞抜きで、今回安倍晋三首相と小野寺五典(いつのり)防衛相はよくやったと思う。 多くの参加者の注目を集めただけでなく、日本の立場に理があることを(中国を除く)世界に情報発信できたからだ。この点は欧米を含む複数の参加者に確認したので間違いないだろう。 安倍首相は中国の「オウンゴール」にも助けられた。会議直前、中国は南シナ海にオイルリグ(掘削装置)を持ち込み、ベトナム漁船を沈没させた。東シナ
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