日中関係が戦後最悪と言われる中、日本人のステレオタイプな中国観の変遷を分析した新刊『革命とパンダ:日本人はなぜ中国のステレオタイプをつくりだすのか』(イースト・プレス刊)が、いま話題になっている。 著者の張予思さんは南京出身、中国からの留学生として東京大学大学院に入学し、この本のベースとなる修論を書き上げた。現在はテレビ朝日に務め、日々情報番組の取材に明け暮れている。 自分の本が「嫌中」に囲まれ、四面楚歌状態だった 開沼 博(以下、開沼):張さんと僕は、もともと東京大学の学際情報学府の吉見俊哉ゼミでご一緒していました。先輩だと北田暁大さんなどがいるゼミです。ところで張さんの副指導の先生は誰だったんですか? 張 予思(以下、張):林香里先生ですね。 開沼:メディア論の林香里先生。そこで、いつからいつまで勉強してたんでしたっけ? 張:私が吉見ゼミに入ったのは、2009年の10月です。外国人研究