明日12日、歴史的な米朝首脳会談がシンガポールで開催される。最大のテーマが「非核化」だ。アメリカは、完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄(CVID)を求める。一方、北朝鮮は「段階的な非核化」を主張している。両者の隔たりは大きいが、そもそも北朝鮮の非核化は可能なのか。 6月1日、金英哲朝鮮労働党副委員長とトランプ大統領が会談(写真ロイター/アフロ)今回の記事では、北朝鮮のこれまでの核開発と、仮に非核化となればどれくらいの期間を要するのかなどを専門家の分析を交えて徹底検証したい。 取材に応じてくれたのは、北朝鮮および日米韓の公式資料などをもとに、金正恩体制や国際社会の対北朝鮮政策を分析している聖学院大学政治経済学部の宮本悟教授。もう一人は、世界的にも最先端を走る素粒子物理学者として、独自に北朝鮮の核開発を分析する高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所の多田将准教授だ。 北朝鮮の核開発の実