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ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (5)

  • 坂口安紀『ベネズエラ』 - 西東京日記 IN はてな

    副題は「溶解する民主主義、破綻する経済」で、中公選書の1冊になります。 ベネズエラに関しては、コロナ前に経済がほぼ崩壊しているといったニュースが流れていました。その後、コロナ禍の影響でベネズエラに関するニュースは減っていますが、この状況で経済が好転しているとは思えません。 ただ、それにしても産油国であるベネズエラの経済がどうしてここまで悪化してしまったのでしょうか? ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇る産油国であり、天然ガスやボーキサイトなどの資源も豊富です。実際、ベネズエラは80年代なかばまではラテンアメリカでもっとも豊かな国の1つで、民主体制を維持していました。 しかし、2014年以降の経済状況は特にひどく、2014年から7年連続のマイナス成長、しかも2017年からはマイナス二桁の成長でGDPは3年間でほぼ半減しました。国民の貧困率は9割を越え、産油量もチャベス政権誕生前の1日あたり

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  • 鶴岡路人『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』 - 西東京日記 IN はてな

    去年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、多くの専門家が状況の変化に伴走する形でテレビや新聞、雑誌などのメディアでこの戦争に関する分析を提供してきましたが、著者もそうした専門家の一人です。 もともと著者は欧州現代政治や国際安全保障を専門としており、『EU離脱』(ちくま新書)などの著作がありますが、今作もタイトルに「欧州戦争としての」とあるように、「ヨーロッパ」という切り口からこの戦争を分析しています。 国際情報サイトの「フォーサイト」に書かれた文章が中心ですが、内容が細切れだったり重複してしまっている感じはなく、一貫した内容のある分析が読むことができます。 目次は以下の通り。 第一章 ウクライナ侵攻の衝撃 第二章 ウクライナ侵攻の変容 第三章 結束するNATO 第四章 米欧関係のジレンマ 第五章 戦争のゆくえと日に突きつけるもの 今回の戦争ロシアウクライナの間の戦争ですが、

    鶴岡路人『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』 - 西東京日記 IN はてな
    bros_tama
    bros_tama 2023/04/09
    露による宇侵攻がなぜ始まったか,どのように終えるか,戦後の安全保障はどうするかは必ず欧州とは何か問題に繋がる.だからこの本も出たのだし,東野鶴岡御夫妻はこれからも研究者として重用される.
  • よりよい床屋政談のために〜2021年衆院選のためのブックガイド〜 - 西東京日記 IN はてな

    岸田内閣が成立し、衆議院の総選挙が10月31日に決まりました。政治好きとしては「総選挙」と聞くだけでなんとなく盛り上がってしまうのですが、ここ数回の国政選挙に関してはその結果に不満を持っている野党支持者、あるいは無党派の人も少なくないと思います。 「なぜ自民が勝ってしまうのか?」、「毎回野党に勝ち目がなさそうなのはなぜなのか?」と思う人もいるでしょうが、その理由を何冊かのと考えてみたいというのがこのエントリーの狙いです。 まず、出発点となるのは谷口将紀『現代日の代表制民主政治』(東京大学出版会)の2pに載っているこのグラフです。 グラフのちょうど真ん中の山が有権者の左右イデオロギーの分布、少し右にある山が衆議院議員の分布、そしてその頂点より右に引かれた縦の点線が安倍首相のイデオロギー的な位置です。 有権者のイデオロギーよりも、衆議院議員のイデオロギーが右側にずれており、さらに安倍元首相

    よりよい床屋政談のために〜2021年衆院選のためのブックガイド〜 - 西東京日記 IN はてな
    bros_tama
    bros_tama 2021/10/15
    “一般的に「左派」と考えられている政党が左派の若者の支持を集めることができていないのです。 若者の選択肢は「自民か野党か」ではなく、「自民か無党派か」であり、” ←高齢者が中心の野党支持層が問題と思う.
  • 蒲島郁夫/境家史郎『政治参加論』 - 西東京日記 IN はてな

    政治学者で現在は熊県知事となっている蒲島郁夫の1988年の著作『政治参加』を、蒲島の講座の後任でもある境家史郎が改定したもの。基的には有権者がどのように政治に参加し、そこにどのような問題があるのかを明らかにした教科書的なになります。 このように書くと、書はあくまでも政治学を学ぶ人向けのに思えるでしょうが、書で行われている議論は、教科書的なスタイルからは想像できないほど刺激的なもので非常に面白いです。 日は戦後「一億総中流」と呼ばれる社会をつくり上げたものの、近年はそれが崩壊しつつあるというのは多くのひとが感じているところであると思いますが、その要因を「政治参加」という切り口から鮮やかに説明しています。 1960〜80年代において出現した日の特殊な「政治参加」の状況が、「一億総中流」社会を生み出しましたが、90年代以降は日の「政治参加」のあり方が他の国と同じようなものとなっ

    蒲島郁夫/境家史郎『政治参加論』 - 西東京日記 IN はてな
  • 小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近話題になっている「右傾化」の問題。「誰が右傾化しているのか?」「当に右傾化しているのか?」など、さまざまな疑問も浮かびますが、書はそういった疑問にさまざまな角度からアプローチしています。 実は、国民意識に関しては特に「右傾化」という現象は見られないが、自民党は以前より「右傾化」しているというのが、書の1つの指摘でもあるのですが、そのためか、執筆者に菅原琢、中北浩爾、砂原庸介といった政治学者を多く迎えているのが書の特徴で、編者は2人とも社会学者であるものの、社会学からの視点にとどまらない立体的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 総 説 「右傾化」ではなく「左が欠けた分極化」  小熊英二 第I部 意 識 1 世論 世論は「右傾化」したのか  松谷満 2 歴史的変遷 「保守化」の昭和史――政治状況の責任を負わされる有権者  菅原琢 第Ⅱ部 メディア・組織・思想 1

    小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな
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