厚生労働省の統計によると、暮らしに強いストレスを感じると答えた労働者の数は58%を超えた。不安や生きづらさを感じながら働く人の数も年々増えている。この状況は日本だけではない。一生の間に鬱病や不安症にかかる人が3割を超える国もある。生きづらさを感じている人が増加の一途をたどるのは、世界的な傾向のようだ。 はたして、人生における「苦しみ」とはどのような現象なのか。あらゆる「苦しみ」の共通項を見極め、普遍的な対策を立てることで、読者の不安や心配事をクリアにし、読者の生まれ持つポテンシャルを取り戻すことができるのではないか――。これが本書の主眼だ。 著者の鈴木祐氏は、これまで10万本以上の科学論文を読破し、ベストセラーを生み出す新進気鋭のサイエンスライターである。神経科学や脳科学の研究、禅の教えに基づいた内容は説得力と納得感にあふれている。実践すれば多くの恩恵が得られるだろう。 昨今は脳にまつわる