不況のメカニズム―ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ (中公新書) 作者: 小野善康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/04メディア: 新書購入: 10人 クリック: 121回この商品を含むブログ (57件) を見る 08/21/07付けエントリーは本書について書いたものではないが、一部の論点は本書に対しても当てはまるように思う。本書に関して気になっている論点は以下の通り。 不況が「特殊な状況」であるとの見方をせず、不況均衡のような状況も生じ得るとする点。また、この点は、ニュー・ケインジアンとは明確に異なるとしている。その背景には、「有効需要の原理」によって、逆向きの因果関係で物価や賃金が決定されるとの見方がある。 中央銀行が量的緩和や低金利政策へのコミットメントを行っても、(流動性プレミアムは低下せず、)民間投資は拡大しないとする点。その背景には、流動性はいくら