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ブックマーク / traindusoir.hatenablog.jp (10)

  • 田中秀臣「経済政策を歴史に学ぶ」 - 備忘録

    経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書] 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/08/17メディア: 新書購入: 7人 クリック: 69回この商品を含むブログ (53件) を見る第1章 「格差社会」の真相−小泉政権の負の遺産− 大竹文雄は長期不況が所得格差の悪化をもたらしたが、労働市場の構造問題が不況の進化に決定的な役割を持っていると考えている。これは、不況の真因をあまりに「賃金の下方硬直性」に依存した議論。日の不況がこれほど長く続いたのは、デフレ期待が頑固に定着したためであり、(その結果生じる)金融市場の不調整が労働市場の下方硬直性と衝突することで失業を高めてしまう。よって、労働市場の規制改革を行っても、不況対策としては的外れ。 第2章 小泉政権の経済政策を振り返る 「民間に出来るものは民間に」という郵政民営化の基方針は正しいが、今回の郵

  • 稲葉振一郎、松尾匡、吉原直毅「マルクスの使いみち」 - 備忘録

    マルクスの使いみち 作者: 稲葉振一郎,松尾匡,吉原直毅出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/03/11メディア: 単行購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (49件) を見るはじめに 第1章 『解体と再生』その後 新古典派に対する批判として、企業をブラックボックス、或いは内部がない点アトムとして扱っている、というものがあるが、ゲーム理論的、あるいはP-A問題などの枠組みを用いた研究が進行。科学的手法に抽象化や理想化は避けられず、新古典派を批判するマルクス経済学は、核心をつかむリアルなモデルをいつまでも求め続けているばかり。マルクス主義は、個人が社会を生成するばかりでなく、社会が個人を生成することを強調し、新古典派には後者のルートがないことを批判するが、新古典派は、方法論的個人主義を科学的分析手法として便宜的に使用しているだけ。 第2章 搾取と不平等 ジョン・ロ

    稲葉振一郎、松尾匡、吉原直毅「マルクスの使いみち」 - 備忘録
    contractio
    contractio 2012/01/27
    @at_akada こんなんがヒットしました
  • 本田由紀「教育の職業的意義──若者、学校、社会をつなぐ」 - 備忘録

    教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書) 作者: 田由紀出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/12/01メディア: 新書購入: 13人 クリック: 286回この商品を含むブログ (63件) を見る 田由紀「教育の職業的意義」では、日の学校教育制度と雇用システムの歴史から、教育の現場において職業教育が軽視されるようになった過程を俯瞰した上で、1990年代後半以降の経済や雇用の変化を踏まえ、教育現場における職業教育を再構築し、あわせて、日の雇用システムの変革をうったえている。ここでいう職業教育とは、〈適応〉の側面とともに〈抵抗〉の側面をもつ。つまり、仕事の要請に適応するための手段であるとともに、働き方を適正(ディーセント)なものにするため、法律や交渉などを通じて抵抗するための手段である。 稿の立場としては、田のように、1990年代後半以降の経済や雇用の変

  • ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1) - 備忘録

    ※コメントいただいた点について、随時修正を行います。 いま、猪木武徳「戦後世界経済史」を読んでいるのですが、はしがきに次のような記述がありました。 滞っていた書の執筆に踏み切れたのは、中央公論新社の新書編集部の高橋真理子さんに「構成目次」をお渡ししてから七年の歳月が流れてしまったことにわれながら驚いたこと、昨年秋に偶然手にした米国の経済学者、ベンジャミン・フリードマン(Benjamin F.Friedman)のThe Moral Consequence of Economic Growth(Alfred A.Knopf, 2005)を読んで大きな刺激を受けたことが影響した。同書は、今時の金融危機の発生以前に書かれているが、経済成長とモラルの関係を取り上げており、経済学が、法学や倫理学、道徳哲学から枝分かれした学問であることを改めて想い起こさせてくれた。 戦後世界経済史―自由と平等の視点か

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  • ポール・クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」 - 備忘録

    良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫) 作者: ポールクルーグマン出版社/メーカー: 日経済新聞社発売日: 2000/11/07メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 187回この商品を含むブログ (57件) を見る 書の日語版は、1997年の刊行。現在では、経済学による啓蒙的な書籍をみることは珍しいものではなくなったが、書は、そうした書籍の嚆矢的なものであるといえる。 書が批判の対象とするのは、主に「俗流国際経済学」である。そして、それを批判するための武器となるのが、国の経済に占める貿易の規模、比較優位の原理、ISバランス、成長会計といった経済学の「常識」である。 ここで「俗流国際経済学」とされているのは、書の中に例示的に文章化されているつぎのような考え方である(169頁)。 経済の新しいパラダイムが必要になっている。アメリカがいまでは、ほんとうの意味でのグローバ

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  • デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(3) - 備忘録

    雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析 作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る (過去のエントリー) デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(1) デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(2)──市場と商品 内部労働市場についての一般的な理解 前節では、労働市場という概念について考えてみた。労働市場は、生産に用いられる要素である労働を効率的に配分する機能を持ち、そこでは、その時点における労働の価値が「公正」に評価される。しかし、労働市場で評価されるのは、あくまでその時点における労働の価値である。労働力を再生産する過程で要する費用(生計費

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  • ダロン・アセモグル「技術と不平等」──解題のようなもの - 備忘録

    ※「◆」以降を追記しました(12/25/08)。グラフを差し替えました(12/27/08) http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081216/1229440307 これは、全米経済研究所(NBER;National Bureau of Economic Research)のホームページに掲載されているDaron Acemoglu“Technology and Inequality”(NBER Research Summary)の全文を訳したものである。オリジナルの論文には、このほかに脚注として、参照された論文が明記されている。 ここでは、この論文の内容を簡単に振り返るとともに、あわせて、我が国経済と不平等の現状と将来を考える上で焦点をあてるべきことは何かについて整理することにしたい。 技術革新と不平等の拡大 近年、多くの先進諸国で不平等(格差)の拡大がみら

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  • ネットに経済的なものを期待するのは間違いである - 備忘録

    「山形市の街並み」撮影履歴 それを運営している八向さんという方が↓のようなコメントを行っていました。 「智慧求む! 絶滅危惧サイト「山形市の街並み」に光を!スポンサーを!」(山形市の街並み) むろん、私にはサイト維持のための知恵も経済的余裕もありません。ただ一言いえるのは、ネットを媒体として、こうしたコンテンツを「販売」し、経済的価値を得ることには限界があるということです。各種アフィリエイトは活用できるでしょうが、それによって得られるのは、せいぜい小遣い程度、断じて家計の主たる収入源となるものではありません。 このサイトで提供されているコンテンツの価値は自分も認めるし、自作の地図では内閣総理大臣賞まで受賞されていますが、だとしてもその程度だということ。もし、それだけの価値のないコンテンツであれば、経済的に一銭にもならないだけでなく、存在そのものが社会的不効用になるだけでしょう。*1 ネット

    ネットに経済的なものを期待するのは間違いである - 備忘録
    contractio
    contractio 2008/12/13
    正論ぶちかまし。
  • 小野善康「不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ」 - 備忘録

    不況のメカニズム―ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ (中公新書) 作者: 小野善康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/04メディア: 新書購入: 10人 クリック: 121回この商品を含むブログ (57件) を見る 08/21/07付けエントリーは書について書いたものではないが、一部の論点は書に対しても当てはまるように思う。書に関して気になっている論点は以下の通り。 不況が「特殊な状況」であるとの見方をせず、不況均衡のような状況も生じ得るとする点。また、この点は、ニュー・ケインジアンとは明確に異なるとしている。その背景には、「有効需要の原理」によって、逆向きの因果関係で物価や賃金が決定されるとの見方がある。 中央銀行が量的緩和や低金利政策へのコミットメントを行っても、(流動性プレミアムは低下せず、)民間投資は拡大しないとする点。その背景には、流動性はいくら

    小野善康「不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ」 - 備忘録
  • 佐藤俊樹「不平等社会日本 さよなら総中流」 - 備忘録

    不平等社会日―さよなら総中流 (中公新書) 作者: 佐藤俊樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2000/06/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (108件) を見るコメント 格差問題に関して、書が主たる関心を呼んだのは、年功序列的な雇用管理によって生じる「経路依存性」をコントロールした職業の世代間相関性をみると、ホワイトカラー上位層職種(W雇上)では、「団塊の世代」から、職業の「閉鎖性」は高まったという事実を提示したこと。高度経済成長等を背景に、非W雇上出身(父親がW雇上)からのW雇上へのなりやすさは高まっている一方で、「団塊の世代」では、W雇上出身の者が多いので、W雇上出身がW雇上になりやすいと、非W雇上出身の者がそこから締め出される。これによって、この「閉鎖性」は生じたことが示されている。この含意に対しては、例えば、盛山和夫氏の批判な

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