本年一九九八年三月一六日から二二日までの一週間、東京(幕張メッセ)、広島(平和公園内国際会議場)、京都(けいはんなプラザ)を会場に、「科学技術と社会(STS)に関する国際会議」が開催された。三会場を次々と移動しながら開催された会議は、参加者総勢三七二名という、国内のこの種の会議としては大規模なものとなった。海外参加者も、欧米先進国からリトアニアまで、三二カ国、約一三〇名を数えた。学会形式の発表二三〇件のうち過半の一三〇件が海外参加者によるものであり、実に国際色の豊かな会議だった。加えて、公開シンポジウムが二件、非公開のシンポジウムもいくつか持たれ、どの会場でも、英語・日本語を交えた非常に活発な議論がなされた。 本稿では、この国際会議の実行委員の一人の立場から、会議を開催するに至った経過を紹介し、あるいはその背後にあるSTS(科学技術と社会)という新しい研究分野の興隆について論じたい。それは
現実の科学 / Real Science (Ziman) John ZIMAN著, 2000年: Real Science: What it is, and what it means. Cambridge University Press, A5判 399ページ. 日本語版: ジョン・ザイマン 著, 東辻 千枝子 訳 (2006年): 科学の真実。 京都: 吉岡書店。 [わたしは日本語版を読んでいない。] わたしは科学者を職業として選んで20年近くになり、 もはや科学者以外の職業に転職を考えても適性に自信がなくなってしまった。 しかし、今の科学者という職業は、わたしがなりたかった科学者とはどうも 違うような気がする。 それで、2000年秋に大学の常勤を離れて多少時間の余裕ができたのを機会に、 科学者のありかたを考えるために本を読みふけった。 個別事例よりも一般論を、しかし抽象論よりも具体
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