アレクサンドル・フォケット(Alexandre Fauquette)、フレデリック・ピエリュ(Frédéric Pierru)2024年4月号 コロナ禍のフランスにおいては、ロックダウンなど厳しい感染症対策がとられた。特に医療従事者に対するワクチン接種義務化と未接種者に対する厳しい措置は、その是非について現在でも世論が分かれている。この厳しい衛生取り締まりは、現代フランス社会をどのように映し出したのであろうか。[日本語版編集部] (...) →
産業革命が完了し、世界でもっとも文明が発展していたイギリス。その首都ロンドンに、ドイツの大学で哲学を修めたひとりの人間がやってきた。彼の名はカール・マルクス。この時まだ31歳だった。 その頃、長時間労働のうえに工場で始まった大量生産は、賃金の安い女性や子どもまでも労働者にしていく。さらには恐慌が起こり、倒産や企業閉鎖、解雇によって失業者が巷にあふれだしていた。 彼はこの過酷な現実を見つめ続けた。そしてついに1867年、資本主義の矛盾を解き明かす『資本論』第一巻を出版したのである。彼はこの本のなかで資本主義を、始めもあれば終わりもあるひとつの有機体として、歴史的にとらえた。そしてこの社会の構造を分析し、その発展法則を理論化した。さらには、この資本主義社会こそ、資本家が労働者を搾取している階級社会であると論じ、この矛盾の秘密を解くカギは労働力の商品化であると喝破したのだった。 『資本論』は、マ
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