2013/10/8収録 熊野純彦著『マルクス 資本論の思考』(せりか書房)刊行記念 熊野純彦(東京大学教授・哲学者) 高橋順一(早稲田大学教授・思想史家) ※対談予定でしたが高橋さんがご都合により参加できなくなり、急遽熊野さんおひとりのイベントとなりました。予めご了承ください。 現代日本を代表する哲学者が、ついにマルクスの高峰『資本論』に挑んだ。しかも、生前に刊行された第一巻だけでなく、没後にエンゲルスが編集した第二巻・第三巻も含めて、壮大な規模で展開されたマルクスの思考を、細心かつ緻密に読み解いていく。 マルクスは『資本論』第一巻の初版・序文で、亡命先のロンドンからドイツ人読者に宛てて、「きみについて、物語は語られている!」と訴えたが、二一世紀の一〇年代を生きる私たちに対しても、マルクスのことばは「世界の決定的なありかたをめぐって語りかけている」。永年の盟友、思想史家の高橋順