今年も南座で吉例顔見世興行が始まることに伴い、「まねき看板」が上がっています。 京都の師走の風物詩として知られる「まねき看板」は、例年11月25日に南座に掲げられますが、今年は12月1日に上がりました。いつもは人が集まりますが、今年は密とならないよう、上がる日は事前に告知されないという異例の対応となりました。いずれにしても例年通りに「まねき看板」が上がって何よりです。 看板の文字は「隙間がないほど大入りになるように」との願いから、太く丸みを帯びた「勘亭流」という書体で隙間なく役者の名を記されています。人が中へと入ってくるようにと、内向きに字がまとめられているのが特徴です。全国でも江戸時代以来の古式が残るのは南座だけだそう。 かつては芝居小屋と歌舞伎役者との契約は、プロ野球選手のように1年更新。もともとは長期契約でその間は他の芝居小屋での出演もできなかったそうですが、それでは顔ぶれが単調にな