東福寺の本坊庭園は、かつては八相の庭と呼ばれていましたが、2014年に国指定名勝に登録されたことで「国指定名勝 東福寺本坊庭園」に改められています。 お釈迦さまの生涯の8つの重要な出来事を八相成道(はっそうじょうどう)といい、八相の庭はそれにちなんで名づけられたものです。 八相成道は、蓬莱(ほうらい)、方丈、瀛洲(えいじゅう)、壷梁(こりょう)、八海、五山、井田市松(せいでんいちまつ)、北斗七星の8つからなります。 枯山水庭園の南庭の東端には、大きな石組があります。 これは、東の大海の彼方に蓬莱、方丈、瀛洲、壷梁と呼ばれる四仙島があるという蓬莱神仙思想を表現したものです。 そして、渦を巻く砂鉄は八海を表しています。 南庭の西端にあるコケの山は、五山になぞらえた築山です。 五山の後ろの塀越しに紅葉と経蔵が見えますね。