「糖尿病治療にはカロリー制限」という日本の医療の“常識”のおかしさを指摘した「週刊ポスト」前号(4月17日号)のレポートは大きな反響を呼んだ。カロリー制限を推奨する学会側の関係者からも「ポストの記事は正しい」と少なからぬ声が寄せられたが、そうした医師らに実名証言を求めると「それだけは勘弁してほしい……」と及び腰になった。間違いに気付きながら患者不在の医療を進めることほど罪深いことはない。 糖尿病学会に所属する専門医が、匿名を条件に口を開いた。 「週刊ポストの記事はもっともな内容だったと思いますよ。学会ガイドラインでの『カロリー制限推奨』やそれとセットになっている『糖質制限批判』はおかしいという声が内部にも結構あります。ただ、学会の重鎮の先生方を相手に、正面切っておかしいとはいえません」 前号で掲載したレポート〈糖尿病は「カロリー制限」では治らない!〉への感想だ。日本の医学会で食事療法として