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ブックマーク / www.ele-king.net (138)

  • アナキズム・イン・ザ・UK | ele-king

    トニー・ブレア以降のリアリズムが日で知られていないというのもある。ジェイク・バグのもっとも深い曲のひとつ“ブロークン”の「壊れてしまった僕」とは「壊れてしまった英国」=ブロークン・ブリテンのことだったのか、“トゥ・フィンガーズ”で彼が歌う彼の育った文化とはこのことだったのか……などと思う。『アナキズム・イン・ザ・UK』には、僕が知らないいまのUKのひとつの真実が描かれている。 著者は序文でこう書いている。「九〇年代後半、「クール・ブリタニア」という言葉で希望の時代を演出しようとしたトニー・ブレアの労働党政権が、まるで臭いものに蓋をするかのようにアンダークラス層を生活保護で養い続けたため、この層は膨張し、増殖して大きな社会問題になった。この状態を「ブロークン・ブリテン」と呼び、英国は伝統的な保守党の価値観に立ち返るべきだと主張したのが現英国首相のデイヴィッド・キャメロンだ。以来、この言葉は

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  • Cuushe | ele-king

    とにかく可愛らしいアートワーク......、このイラストだけでも相当にヒキがあると思われる。クーシーが日人女性だという以外のこと、たとえば彼女がどこに住んでいて何歳ぐらいの方なのか僕は知らない。僕が知っているのは、昨年、彼女は8センチCD3枚組の素晴らしい作品を出して、そこにはジュリア・ホルターとモーション・シックネス・オブ・タイム・トラヴェル(Motion Sickness Of Time Travel)がリミキサーとして参加していたこと。海外には、彼女のファンが多いこと。まあ、日人女性は、基的に海外で人気がある。 『バタフライ・ケース』は、ツイン・シスターの洒落たエーテル系ラウンジを彷彿させる。ギターがきゃんきゃん鳴っているわけではない。もっとエレクトロニカ寄りで、アンビエント/ダウンテンポの柔らかい、生ぬるい、心地よい、力が抜けていく感覚が全体を貫いている。 この手のサウンドを

    Cuushe | ele-king
  • Asian Dub Foundation | ele-king

    2011年3月4日、エイジアン・ダブ・ファウンデイションの、前作『ア・ヒストリー・オブ・ナウ』を引っ提げたツアー東京公演で軽くショックな場面を目にした。ギターのチャンドラソニックの発した「チュニジア、エジプト、リビアの市民にリスペクトを!」というMC(その通りのシンプルな英語だった)に対して、渋谷の会場を埋め尽くし、踊り狂っていた聴衆の大半が、きょとんとして反応しなかったのだ。よりによってこんなタイトルのツアーの公演に詰めかけた"ファン"(という言葉の定義を疑うが、それはともかく)が、あのとき地球上の最大の事件だった〈アラブの春〉に関心を示さない景色は、ステイジの上からどう映ったのだろう?(ピース・サインは、こういうときのためにあるはずなのだが) 活動歴20年を数えるエイジアン・ダブ・ファウンデイションのヴェテラン・サポーターに対しては釈迦に説法だろうが、ADFは言わばひとつの学校のような

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    dazed
    dazed 2013/08/20
    熱いレビューだ。
  • Baiana System | ele-king

    ブラジル北東部バイーアのグループ:バイアーナ・システムのファースト・アルバム。彼の地の音楽のファンはもちろん、ロック・ギター好き、(作のトラックの重要な基礎を成している)レゲエやエレクトロ=ダブの愛好家、プログラミング・ビート、ラップ/トースティング、あるいはバイーアの音楽に色濃い影響を及ぼしているアフリカ音楽に興味を持つ人や、単純にパーカッション好きの人など、様々な種類の耳にとって聴きどころ山盛りで、かつ他ではなかなか味わえない音楽体験ができる1枚だ。 このグループの音楽性をひとことで説明するなら、バイーアのカーニヴァル・ミュージックのスタイルである〈トリオ・エレトリコ〉を、ライヴ・プレイによって、上述したような様々な音楽要素が渾然とするクラブ・サウンド方面にアップデイトするもの、ということになるだろう。〈トリオ・エレトリコ〉とは、トラックの上にバンドとサウンドシステムを乗せ、演奏を轟

    Baiana System | ele-king
    dazed
    dazed 2013/07/12
    ダブ+アフリカ音楽とか夏っぽくてよさそう
  • ここが「辺境」だ、ここでとべっ | ele-king

    いまから10年以上前のシアトルで、サン・シティ・ガールズのアラン・ビショップを中心に設立されたレーベル〈サブライム・フリーケンシーズ(Sublime Frequencies)〉は、いまやもっとも先鋭的なワールド・ミュージック・レーベルとしてその名をワールド中に轟かせているというか、ひとくくりに「ワールド」というと語弊があるというか〈サブライム・フリーケンシーズ〉の視点はかつて非西欧圏と位置づけられ、エキゾチシズムと無縁ではなかったワールドが辺境と呼ばれ珍重され、白地図を塗りつぶすように濫費された時代を過ぎても、音自体をあるアングルから聴き取ればそこに意味以上に語るべき音のあることを教えてくれた。耳ざといリスナーは避けて通れない。お世話になった方も多いのではないか。 〈サブライム・フリーケンシーズ〉というとアラン・ビショップにフォーカスが当たりがちだが、そもそも2002年の設立当時のメンバー

    ここが「辺境」だ、ここでとべっ | ele-king
  • Melt Yourself Down | ele-king

    セックス・ピストルズから脳天に風穴をぶち抜かれ、その後の人生でその穴を埋めようと必死で地道に生きて来たアラフィフのばばあが、過去10年間で最もやられた音楽は、Acoustic Ladylandというジャズ畑の人々のものだった。ということは、昨年末の紙エレキングでも書いたところで、彼らのサウンドを髣髴とさせるというそれだけの理由で、Trio VDの『Maze』を2012年私的ベスト10アルバムの1位に選んだのだったが、いよいよ元のリーダーだったPete Warehamがシーンに帰還した。それも、Melt Yourself Downなどという大胆不敵な名前のバンドを引き連れて。 己をメルトダウンさせろ。とは、また何ということを言うのだろう、この人たちは。いい大人が、メルトダウンなんかしちゃいけません。 が、実際、このアルバムでは、さまざまのものがメルトダウンしている。だいたいこれ、ジャズ

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  • 第9回:愛と宿業のクラス・ウォー@ペンギン組 | ele-king

    「なんかさー、あのチアリーダーみたいなルックスの子、20代にして認知症なのかなって」 スタッフ休憩室で新人の娘がVのことをそう評すと、ペンギン組責任者Dは紅茶を吹きそうになって笑った。 30歳のDは、ペンギン組に配置されているわたしの上司でもあるわけだが、彼女は部下である23歳のVが大嫌いである。 ブルネットの髪に顎の尖った理知的な顔立ちをしたD(実際に、キレキレで仕事もできる)と、ブロンドに水色の瞳をしたプリティ&おっとりしているV(実際に、よくいろんなことを忘れる)は、見た目からして正反対なのだが、生まれ育った環境も正反対だという。 Dは3人の子供を育てあげた公営住宅のシングルマザーの娘だ。父親は無職のアル中だったそうで、1年の半分は家におらず、ちょっと帰って来ては、すぐ何処かに消えていたらしい(路上生活やシェルター生活を好んでする癖があったようだ)。こういう父親のいる家庭はアンダー・

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  • Iggy And The Stooges | ele-king

    どうも、アラセヴ(アラウンド70)担当になったようだ。 老齢化ではなく老獪化が進んでいるボブ・ディラン、冷徹に老いと死を見つめる詩人レナード・コーエン、年齢などという俗世界のコンセプトとは無縁の異次元界を突き進んでいるスコット・ウォーカー、「過去はあった。しかし、それらはすべて過ぎてThe Next Dayがある」の老いのロックを宣言したデヴィッド・ボウイ。などについて書いてきたわけだが、ついにイギー・ポップの登場である。 アラセヴ・ロック。というかつてなかったカテゴリーが登場するにあたり、老いる。というリアルな人生のテーマは、いったいどのようにロック的に消化され得るのであろうか。というテーマをちまちま考察してきたのであったが、ここでイギーが、ばーんと『Ready To Die』などというタイトルで来たものだから笑った。 いや、もうそんなことを言われると、そうですかとしか言いようはない。相

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  • 第8回:墓に唾をかけるな | ele-king

    その日、わたしは街の裏通りにある小さなパブで、仕事帰りに人と会う約束をしていた。 そこは薄暗く古いパブで、流行のワインなどを飲ませる小奇麗なパブではない。窓際には年季の入ったスヌーカー・テーブルがあり、カウンター上方のフラット・スクリーンではない分厚いテレビはいつもフットボールの試合を映している。が、その日、パブに着いてみれば、なぜかテレビはBBCニュースを映していた。 「え。サッチャー、死んだの?」 と吃驚しているわたしの背後から入って来た、塗装業者らしいペンキで汚れたバギー・ジーンズのおっさんは、テレビに映し出された「Baroness Thatcher Died」のヘッドラインを読むなり、おもむろに両手でガッツ・ポーズを取った。 「YES!!」 PCの前に座って仕事をしている階級の人びとはもっと早く訃報を知ったのだろうが、ブルーカラーの労働者が彼女の死を知ったのは夕方だったのである。ん

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  • Bonobo | ele-king

    先週のレヴューで木津毅が挙げていたライ、実は僕も勢いで買ってしまったのだが、笑ってしまうほどあれは、言わばチル&ビー版(ハウ・トゥ・ドレス・ウェルやインクの流れ)のシャーデーだった。 「これよりもっとジャジーなのはないんですか?」とお店の人に訊いたところ、「いまのところライがいちばんジャジー」という話だった。 しかし、考えてみれば、ダブステップ以後のクロスオーヴァー現象においては、ソウル/ジャズへのアプローチも目立っているので、ジャジーなものはそちらから探せば良い。チル的感性は、クラブ・カルチャーから生まれたものだから、お手の元と言えばそうなのだ。ボノボことサイモン・グリーンの新しいアルバム『ザ・ノース・ボーダー』も、今日的なジャジーな展開を見せる1枚である。 それにしても、このエクレクティック(寄せ集め)で、ジャジーで、同時にシンフォニックな感性は、英国ならではのものだ。初期のマッシヴ・

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  • 第7回:仮想レイシズム。現実レイシズム | ele-king

    職場では月1回の頻度でインハウス・トレーニング(職場内研修)というのがあり、さまざまなテーマの研修(という名の夜間残業)がある。 んで、このテの研修でわたしがもっとも恐れているのが「ワークショップ」と呼ばれる形態のものである。この「ワークショップ」は、演劇的色彩が濃く、要するに、例えば「保護者との関係構築」というテーマでワークショップがあったとしよう。すると、ある者は保護者の役を、またある者は「良い保育士」または「悪い保育士」の役を演じさせられるわけであり、それでなくとも人一倍ノリの悪い東洋人のおばはんであるわたしなどは、いったいどうしてこの人たちはこんなことをするのか、シェイクスピアの国だからなのか。と呆れることも度々で、実に疲労困憊する研修なのである。 ほんで。先日もそういうのがあった。 研修のタイトルは「EAL(English as an additional language)」。

    第7回:仮想レイシズム。現実レイシズム | ele-king
    dazed
    dazed 2013/03/22
    「KEEP CALM AND DRINK」
  • Autechre | ele-king

    さすがにこの新作でオウテカにはじめて出会うというひとは少ないとは思う。だが、『エクサイ』はすべてのリスナーに、はじめて彼らの音と出会ったときのことを思い出させるだろう。 僕の場合、リアルタイムでの出会いが01年の『コンフィールド』であり、ただ面らった、そんな印象を覚えている。決定的だったのは翌年の『ガンツ・グラフ』で、そこで奔放に暴れまわる金属音の生み出す躍動を「ファンク」と呼ぶのなら、サウンドの実験は何かしかめ面のものではない、決まった枠組みからはみ出そうとする獰猛な力のためにこそあるのだと......気づかされ、そして勇気づけられた気分だった。 もちろんその後の作品も順に追ってはいたのだが、僕が惹かれたのはむしろ、遡って聴いていった過去の作品群であった。『LP5』から『キアスティック・スライド』へ、『トライ・レペテー』から『アンバー』へ、そして『インキュナブラ』......そこにあっ

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  • 曽我部恵一BAND | ele-king

  • Kaoru Inoue | ele-king

    いまから130年前、ドビュッシーがパリの万博で聴いたガムランに触発されたという話は有名だが、そのとき音は、聴覚が享受する外部からの情報として機能している。宮沢賢治が風の音を聴くように、音には音のみが伝えうる情報がある。ゆえにURは北米のネイティヴの独特な音節をテクノに注ぎ、フライング・ロータスはサンパウロに思慕を寄せる。サン・アロウはまだ見ぬアフリカへの憧憬をダブ・ミキシングに込める。ブライアン・ジョーンズのジャジューカのエディット、シャックルトンの熱帯雨林の幻影、T++のアフリカの記憶......、20世紀の半ばまでの世界旅行者のほとんどが軍人か大商人だったことを思えば、我々の想像力には先人たちよりもずっと外在する音に関するニュアンスを知るようになった。もし耳を澄ましているのなら、より柔軟で寛容になっているはずである。 井上薫は、すでに年季の入ったDJでありプロデューサーだが、たまたま日

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  • Jake Bugg | ele-king

    カウンシル・エステート(公営住宅地)。というのは、むかしはUKロックとは切り離せない場所だった。「俺は、フィンズベリー・パークの公営住宅出身だ」とジョン・ライドンはいまでも言うし、マンチェスターの公営住宅地の若者のミゼラブルな日常をリリカルに歌ったのがモリッシーなら、それにある種の演歌性のような要素を加味して国民的アンセムにしたのはオアシスだった。最近では、昨年のロンドン暴動と関連付けて解説されることの多いフディーズ映画『アタック・ザ・ブロック』の舞台もロンドンの公営団地である。 と書くと、きっと貧しくてもヒップでクールなところなのね。と勘違いされそうだが、そんなクールな貧乏人は奇跡のような確率でしか出て来ないのであり、実際に暮らしてみればどれほど気が滅入る場所なのか。ということは、わたしは長年ブログで書き続けて来たのでここではスルーするが、ジェイク・バグの出身地、ノッティンガムのクリフト

    dazed
    dazed 2012/10/26
    “ カウンシル・エステート(公営住宅地)。というのは、むかしはUKロックとは切り離せない場所だった”
  • Stealing Sheep | ele-king

    「すべてのレコードレーベルがギター・バンドと契約しようとしている。現在の音楽シーンは、アークティック・モンキーズがブレイクしたとき以来のヘルシーな状況」と、『NME』創刊60周年記念号が書いていた。 昨年あたりから、英国の街を歩く若者(当然ながら全員ではない。いつの時代もそうであるように、一部だ)のファッションが、あまりに80年代だとは思っていた。ユリの花を持たせたらまるでモリッシーじゃないか。みたいな青年や、ヒューマン・リーグみたいなお嬢さんたち、先日などは'Come on Eileen'のヴィデオに出てきそうな格好をしたレズビアンたちが路上でキスしている姿まで見た。 英国ではいまでもファッション音楽は手に手を取って歩いている。だから、ギター・バンドというより、若者がそうした格好をして街を歩いていた時代のギター・サウンドに触発されたバンドが複数、しかもメジャーに大ブレイクするんじゃない

    Stealing Sheep | ele-king
  • interview with Egyptian Hip Hop | ele-king

    ドラムがいてベースがいてギターがいてヴォーカルがいて......ロック・バンドというスタイルがポップのデフォルトではなくなってすでに久しい。欧米においてはそうだ。メディアはギター・バンド時代の到来を煽っている。来年は当にそうなるかもしれない、が、しかし現状でポップを代表するのはR&Bだ。ダンスであり、アンダーグラウンドではエレクトロニック・ミュージックである。 エジプシャン・ヒップホップとはカイロのキッズによるラップ・グループではない。マンチェスターの4人の白人の若者によるロック・バンドだ。メンバーのひとりは、ジョニー・マーからギターを習っている。それだけでひとつの物語がひとり歩きしているが、彼らの音楽がストーン・ローゼズやザ・スミスやジョイ・ディヴィジョンのように、激しいまでに言いたいことを内包している音楽というわけではない。 エジプシャン・ヒップホップの音楽はまどろんでいる。夢見がち

    interview with Egyptian Hip Hop | ele-king
    dazed
    dazed 2012/10/05
    エジプシャン・ヒップホップておもしろそう。
  • 第2回:イミグランツ・イン・ザ・UK | ele-king

    五輪閉会式にはあれだけ多くの英国のバンドやミュージシャンが出演していたというのに、うちの息子が最も強烈な印象を受けたのはなぜかエリック・アイドルだったらしく、夏以来、頻繁に『Always Look On The Bright Side Of Life』を歌っているので母親としては困惑する。 というのも、『Life of Brian』というモンティ・パイソンの名作映画で使われたこの楽曲の歌詞には、「Life is a piece of shit」、すなわち「人生は一片のクソ」というわたしの座右の銘が含まれているからであり、なにげに血の呪いのようなものを感じてしまうからだ。しかも、この曲が英国民を対象とした「自分の葬儀にかけたい曲」調査で上位に選ばれていることを鑑みれば、何も6歳児が葬式用の歌を気に入らなくともいいんじゃないかと思うのだが、どうやら彼が気に入ったのは、歌そのものではなかったらし

    第2回:イミグランツ・イン・ザ・UK | ele-king