ECDさんは「大杉栄 日本で最も自由だった男」(道の手帖 河出書房新社)のなかで、自分は一端アナキストをやめると書いている。大震災から一年後の2012年当時、それまでさまざまなアナキズムの文献を読んでいたけれど、原発の再稼働を止めるためには国家という制度のなかで闘わなければいけないのだから、ただ「ぶちこわせ」と言うことはできないのだと書いている。律儀で江戸っ子なECDさんらしい物言いだと思う。それにしてもストリート・ワイズたるECDさんはきっと12年前の路上でアナキズムだけでよいのかという声を聞き取ったのではないか。そういう声がその時どこかに漂っていたのではないだろうか。 ECDさんの文章から十年以上がたち、今年に入ってアナキズム関連の書籍が立て続けに出されている。アナキズムという言葉が社会に馴染んだのか、社会の方が近づいたのかわからないけれど、アナキズムという言葉を基とするような生き方が
![相互扶助論 | ele-king](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cda4773eb08995ba402c1e2763082530f04daf6b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.ele-king.net%2Fupimgs3%2Fimg%2F603.jpg)