函館駅前停留場は、函館の玄関口である駅前通入口に位置する路面電車の停留場である。幅員1.7mかつ道路上に位置し、夜間工事という厳しい条件のため、上屋は極力薄くした厚さ9mmの湾曲鉄板ユニットを工場で製作し、現場では設置・連結のみという工法をとった。入口部分は屋根を高くした軽快なデザインで、入りやすく開放感のあるデザインを目指した。また、夜間にも安心して人が滞留でき、道路上からも停留場が視認しやすいような建築意匠に調和した温かみのある照明計画としている。プラットホームには、ぬくもりが感じられる木製の大きな手すりを設け、手すりの一部をベンチとすることで、高齢者の方々にも優しいデザインとしている。