世界一高い正教会の鐘楼が、恐るべき陵堡を備えた難攻不落の砦、ペトロパヴロフスク要塞にある。この要塞が実戦に臨むことは一度もなかったが、その歴史は驚くべきものだ。ある時は皇族の墓として、またある時は革命家やロマノフ一族を収容する刑務所として使われ、ソビエトの極秘科学研究所が置かれたこともあった。 1703年5月27日にネヴァ川河口のうさぎ島に築かれたこの砦は、ピョートル大帝が建設した新都の中心部となった。ペトロパヴロフスク要塞が使用され始めた日は、サンクトペテルブルクの誕生日としても祝われている。