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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (8)

  • 霞ヶ関の権威と権力 - 池田信夫 blog

    民主党の鳩山新代表の公約をみて驚いた。最初にかかげられている最重点項目は「霞が関から市民への大政奉還」である。もののたとえだろうが、21世紀の政策にこういう儒教思想が出てくるのは、彼の官僚機構についての認識の甘さをうかがわせる。 大政奉還という言葉は、勤王派の「王政復古」の思想に対応する。儒教では「王道」に対して、武力で政権をとる「覇道」を邪道と考え、特に日では万世一系の天皇が征夷大将軍を任命したと考える。いわば天皇がプリンシパルで幕府はエージェントだから、後者が前者の意に沿わない場合は解任するのは当然、という発想だ。ここで「奉還」されるのは天皇から委任された権力であって、鳩山氏が想定している国民主権ではない。 これは単なるワーディングの問題ではない。このようにして奉還された天皇の大権が、明治以降の官僚機構のよりどころだったからだ。鳩山氏がこのような日の官僚機構の儒教的な性格に無自

  • 金融危機についての入門的まとめ - 池田信夫 blog

    年末になって、屋にはぞろぞろ「大恐慌」が出てきた。現在の不況を「大恐慌」などと名づけるは、それだけで読まないほうがいい。それは著者が1930年代と現在の違いを理解していないことを示すからだ。しかし官僚やメディアにはそのレベルの理解も共有されていないようなので、今年の記事をまとめて金融危機についての入門的な知識をまとめておこう。ちょっと長いので、いつも読んでいる読者は飛ばしてください。金融危機の原因は大恐慌とは違う:今回のアメリカの金融危機の最大の原因は、住宅バブルの崩壊にともなって、複雑でリスクの見えにくい金融商品の逆淘汰が起こったことによる金融システムの崩壊だ。これは30年代の大恐慌とも日の90年代とも異なる21世紀型の危機であり、既知の処方箋はない。マクロ政策は、一時的な「痛み止め」の意味はあるが、今回の危機はそれだけで自然治癒するほど軽傷ではない。 大恐慌は再来しない:シュ

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    hikabu 2009/01/01
  • 平家・海軍・国連 - 池田信夫 blog

    今月はじめ、幸田シャーミン氏が国連広報センターの所長を辞任し、国連の「パワハラ」を告発する手記を『文藝春秋』7月号に発表したことをめぐって、騒動が持ち上がっている。国連側が反論し、幸田氏が再反論するなど、ワイドショー的な展開だ。 これで思い出したのは、かつて彼女と同じ職場(NHK報道局)にいたときのエピソードだ。彼女の出演する「海外ウィークリー」を担当していた同僚が、「原稿にふりがなをつける作業が大変だ」とこぼしていた。日語の能力以外にも問題があり、キャスターを3年でやめたあと、NHKでは使っていない。彼女の手記にも、2代前の高島肇久元所長(彼女の元上司)が「彼女を所長にしたら大変なことになるぞ」と警告していたと書かれているのだから、その忠告を聞かなかった外務省が悪い。 「海外ウィークリー」といえば、彼女の後任キャスターだった野中ともよ氏も、三洋電機がCEOにして失敗した。こういう間

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    hikabu 2008/06/15
  • フリーターを「正規雇用」に - 池田信夫 blog

    「丸山眞男をひっぱたきたい」の反響は、単行が出てようやく世の中に広がってきたようだ。ちょうどDankogai氏からTBが来たので、あらためてこのむずかしい問題を考えてみたい。 Dan氏の表現を私なりに言い換えると、赤木氏の表現はあまりにも否定的で、自分の置かれた状況を肯定するパワーが欠けているということだろうか。たしかに歴史的には、フリーターは「非正規雇用」ではなく、20世紀初頭までは技能をもつ職人が腕一で職場を転々とするのが当たり前だった。請負契約を蔑視するのも間違いで、これは産業資主義時代のイギリスでも19世紀の日でも「正規雇用」だった。しかし第1次大戦後、重工業化にともなって工程が大きな工場に垂直統合され、職工を常勤の労働者として雇用する契約が一般的になった。いわば資主義の中に計画経済的な組織としての企業ができたのである。 だが今、起こっているのは、この過程の逆転だ。か

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    hikabu 2007/12/18
  • なぜインターネットはナショナリズムを強化するのか - 池田信夫 blog

    4/7の記事へのコメントに「日のマスコミは、戦前・軍部・ファシズムを糾弾してさえいれば心理的には『道徳的戦勝国』側にいられるので、ただ楽な方を選んでいるのです」という指摘があった。たしかに、左翼的知識人にあるのは「ナショナリズムなんか信じているのは感情をコントロールできない頭の悪い奴だ。自分はそういう感情を克服して普遍的正義の側に立っているのだ」という優越感である。これは戦前からの伝統で、かつてマルクス主義に走った人々に大地主の子弟が多かったのも、「財産を捨てて貧しい人に尽くす」ことに道徳的な満足を覚えていたからだ。 こういう露悪的エリート意識は、いまだにカルスタやポスコロやフェミニスト一派に多い。彼らはマスメディアの言葉尻をとらえて「潜在的な差別意識」を指摘し、それを「脱構築」することが正義だと信じているが、自分の依拠する価値観が他ならぬオリエンタリズムだということに気づいていない。

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    hikabu 2007/04/09
  • 池田信夫 blog 生産性をめぐる誤解と真の問題

    知らない人から「これは当の話なんでしょうか。 もしよろしければ論評をお願いします」というコメントが来た。そのリンク先にあった「生産性の話の基礎」という記事は、私には(おそらくほとんどの経済学者にも)理解不能である。筆者の山形浩生氏によれば、これは「経済学のほんの基礎の基礎」だそうだが、それは少なくとも大学で教えられている普通の経済学ではない。 これだけ徹頭徹尾ナンセンスだと、どこがおかしいかを指摘するのはむずかしいが、山形氏が赤いデカ文字で強調しているのは、「賃金水準は、絶対的な生産性で決まるんじゃない。その社会の平均的な生産性で決まるんだ」ということである。この平均的な生産性というのは、どうも日全国のすべての部門の労働生産性の平均ということらしいが、そんなもので賃金が決まるメカニズムは存在しない。 普通の経済学では、賃金は労働の限界生産性と均等化すると教えている。たとえば喫茶店の

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    hikabu 2007/02/15
  • 同和のタブー - 池田信夫 blog

    5年間にわたって「長期休暇」をとっていた奈良市の元職員が、職務強要の容疑で逮捕された。この事件質は、問題の男が部落解放同盟の支部長だったという点につきる。一方、同和事業をめぐる不祥事があいつぐ大阪市では、関市長が「(部落を)特別扱いはしない。過去のやり方とは決別する」として同和事業の大幅な整理を打ち出した。この種の事件を黙殺してきたメディアも、この問題を取り上げるようになった。ようやく同和のタブーが破られはじめたのだろうか。 関東に住む人には、なぜ解放同盟がそんなに強いのか想像できないかもしれないが、関西に住む人にはたいてい何か思い当たる経験があるだろう。私の出身は京都で、高校の学区の中には日最大の被差別部落があったので、校内で解放同盟と対立組織の乱闘が起こったり、教師が生徒の面前で「糾弾」されるなどの事件は珍しくなかった。 メディアの差別語を作り出した責任も、解放同盟にある。あ

  • NHK国営化の第一歩 - 池田信夫 blog

    通信・放送懇談会の最終報告が、きのうまとまった。まだ内容はわからないが、各社の報道によれば、前回の報告書(案)がおおむね了承されたようだ。次第に規制改革・民間開放推進会議の案に近づいてきているのがおもしろいNTTについては、アクセス設備の機能分離をしてから、2010年までに「持株会社の廃止」や「資分離」をしろという話になっている。これは松原氏が提唱した「BT方式」に規制改革会議のNTT解体案を接ぎ木したものだが、レイヤー分離してから地域的にも(今の事業会社の境界で)バラバラにしろ、というのはおかしい。ボトルネックを水平分離するなら、その他の部分については規制を撤廃するのが筋だ。 最大の焦点だったNHKの受信料については、規制改革会議とは逆に「支払い義務化」の方向を打ち出した。最初に首相発言でボタンを掛け違えたのが最後までたたり、迷走を重ねたあげく、結果的には受信料の「税金化」の第

    hikabu
    hikabu 2006/06/07
    池田さんの
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