米アップルが株式時価総額に続き、10年7~9月期決算で売上高でもソフトウエア世界最大手の米マイクロソフト(MS)の161億9500万ドル(約1兆3100億円)を上回る203億4300万ドルとなり、名実ともに世界一の情報技術(IT)企業となった。パソコンに近い機能を持ちながら、手軽で使いやすい多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」など独自の機器が世界を席巻したことが大きい。ただ、世界の大手メーカーは追い上げ態勢を強めるなどトップゆえの試練が始まっている。【ワシントン斉藤信宏、浜中慎哉】 アップルは90年代、パソコンの基本ソフト(OS)をめぐる競争でマイクロソフトのウィンドウズに敗れ、90年代初頭に約10%だったパソコン「マッキントッシュ」の市場シェアが97年には3%台まで低下、2年連続で大幅赤字を計上するなど経営危機に陥った時期もあった。ところが2000年代に入り、デジタル音楽プレー