戦争とは情報戦でもあります。公的資料に書かれている「敵国の軍備」も正確なものとは限りません。中には存在しないものを「存在している」としたものも。太平洋戦争を例に、「実際には存在しない軍艦たち」について解説します。 水上機母艦「日進」は実在したが… 戦争を進めるうえで必要とされるのは、正確な情報を得ることです。逆に、間違えた情報を敵国に認識させることは、戦場での戦果以上に大きな戦果とされることもあります。日露戦争でロシアに対する情報戦に従事した、旧日本陸軍の明石元二郎大佐による工作を知ったドイツのヴィルヘルム2世は、「明石1人で大山満州軍20万に匹敵する戦果をあげた」と評価したほどです。 拡大画像 旧日本海軍の空母「隼鷹」。「じゅんよう」と読むが、アメリカ軍には「はやたか」と認識されていた(画像:アメリカ海軍)。 情報収集に長年力を入れ、太平洋戦争の大半で旧日本軍に対する暗号解読に成功してい