国際廃炉研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構は9日、東京電力福島第一原子力発電所で、宇宙線「ミュー粒子」を使ってレントゲンのように原子炉内を透視、溶け落ちた核燃料の位置を調べる実験に乗り出した。 東電が同日、1号機原子炉建屋の外側にミュー粒子の検出器を設置する作業を始めた。 溶融燃料の量や、溶け落ちた場所を把握するのは、廃炉を進めるうえで欠かせない。高エネ研などは、準備が整い次第、観測を始め、3月中に結果をまとめる。 地球に降り注いでいるミュー粒子は、物質を透過する能力が高いが、ウランなど密度が高い物質にあたると、吸収されたり、方向を変えたりする。この性質を利用し、これまでも火山やピラミッドの内部調査などに使われてきた。