河野義行さん手記全文 2009年06月21日 02:02 河野義行さんが共同通信に寄せた手記全文は次の通り。 事件からまもなく15年を迎える。私の中では昨年、妻が事件発生と同時に心肺停止し、14年間意識が戻ることなく旅立っていったことで、松本サリン事件は終わりを告げた。 この15年間、理不尽な体験を踏まえ、犯罪被害者救済の不備を法廷や講演会で訴え、冤罪被害者の支援を重ねるなど様々な社会問題に関わってきた。その事により、被害者支援の必要性が認識されたり、冤罪被害者の無実が証明されたりするきっかけを作る事ができたと思う。 そうした中で、最も重要な課題があった。妻の回復であった。時間の許す限り意識の戻らない妻のもとに通い、励まし続けてきたが、医師からはいつ心臓が止まっても不思議ではない状況であることを何度となく聞かされていた。難しい状況であるだけに、14年の間、大きな不安が私を捉えていた
何かの「当事者」として発言する人は、商業主義やイデオロギー、個人的な功名心などに、利用される危険がある。使命感からカミングアウトしたはずが、私的利害や党派的思惑に巻き込まれただけ、という…。 体験談を求められたり、カミングアウトを試みたりするときは、どうか注意してください。そして逆に、ご自分の発言が帯びてしまう政治性にも、注意すべきだと思う。そのつもりがなくても、「代表性」のようなものが出てきてしまう。 こういう分析が「関係当事者」に必要だし、その分析を生きることの臨床性を、絶対に無視するべきではない。
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