東日本大震災で発生した大量のがれき。なかなか処理が進まない=3月14日、宮城県南三陸町(撮影・田中靖浩) 東日本大震災にともなう岩手、宮城県の災害廃棄物(がれき)処理で、被災地以外の広域処理の実績が必要量の3%にとどまっていることが、環境省のまとめで分かった。被災地を含めた全体の実績は17%で、広域処理の遅れが際立っている。環境省は5月、岩手、宮城県のがれき処理必要量を見直し、当初より4割少ない計247トンに修正したが、実績は伸びず、国が掲げる2015年3月の処理終了は困難な状況だ。(木村信行) 環境省によると、5月末までに岩手、宮城県のがれきを受け入れたのは1都4県。最も進んでいるのは計5万2400トンを処理した山形県で、全国で最も早い昨年7月から受け入れを開始した。 これまでに宮城県気仙沼市、石巻市、岩手県釜石市の木くずなどを県内3市の5施設で処理。15年度中に15万トンを受け入れる方
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が16日、正式に決まった。福島第1原発の事故は、制御不能の放射能の恐ろしさや故郷を奪う残酷さを見せつけた。「私たちの教訓はどこへ」。兵庫県に避難する福島の被災者は、国への不信感を募らせる一方、同じ原発立地県が下した苦渋の選択に理解を示した。安全への不安がぬぐいきれない中、県内の生活者からは電力不足の夏を控え、「本当は反対と言いたいが…」と、複雑な声が漏れた。 「幼なじみも親戚もばらばら。こんな悲しさ、もう誰にも味わってほしくない」。福島県南相馬市から避難し、神戸市垂水区の市営住宅で妻(35)や子ども2人と暮らす男性(40)は、福島原発事故後初めてとなる原発再稼働の正式決定を受け、強い口調で語った。 自宅は福島第1原発から約15キロ。27歳で自動車の修理・販売業を始め、地道に顧客を増やしてきた。2008年、借金をして工場を新築したが、わずか
東日本大震災で発生したがれきの広域処理について、兵庫県内の各市町でも受け入れの検討が進められている。その是非をどう考えるか。異なる立場から、2人の市長に意見を聞いた。(災害特報班・上田勇紀)▼淡路市長 門 康彦さん(66) がれきの広域処理は、国民が共有すべき問題だ。淡路市は可燃ごみを運び込んでいる大阪湾フェニックスセンターの神戸沖埋立処分場で、海面埋め立ての安全基準が明確になれば、すぐにでも受け入れる方針だ。 北淡町(現・淡路市)は震源に近い自治体として阪神・淡路大震災を経験した。私自身も、兵庫県土木部の総務課長として、処理の総括などに当たった。 だから、被災地の気持ちがよく分かる。協力するのは当然のこと。既に市内のがれき焼却候補地の周辺町内会には内々に打診し、了解を得ている。受け入れに反対の意見があれば「やるべきことをやるのが行政の責務だ」と丁寧に説明したい。 がれきは現地で処理すべき
東日本大震災で発生したがれき処理に関する政府の協力要請に対し、兵庫県と神戸市は6日までに、受け入れの可否を保留する回答文書を細野豪志環境相に提出した。 政府は3月16日、岩手、宮城両県のがれき広域処理について、受け入れを表明していない兵庫など35道府県の知事と、神戸など10政令指定都市の市長を対象に要請文書を送付。4月6日を回答期限としていた。 兵庫県は関西広域連合で独自の受け入れ基準を定めたことなど、これまでの取り組み状況を報告。その上で、「大阪湾広域臨海環境整備センター」(大阪湾フェニックスセンター)の神戸沖処分場で、がれき焼却灰を埋め立てた場合の安全性評価を急ぐよう求めた。井戸敏三知事は6日の定例会見で「9日に開く説明会で市町の意見を聞く。受け入れた場合の住民の不安に対しては、安全に処理できることをきちんと説明していくことに尽きる」と述べた。 また、神戸市は「海面埋め立ての明確な安全
三木市は27日、東日本大震災で発生したがれきについて、同市内にある焼却施設周辺の住民の同意が得られることや「大阪湾フェニックス計画」の神戸沖処分場で焼却灰をすべて最終処分することなどを、受け入れ条件とする方針を明らかにした。がれきの広域処理をめぐっては、兵庫県が4月上旬にも、焼却施設などを持つ市町に受け入れの働きかけを始める予定で、同市は県からの要請を前に、受け入れ条件を表明した形だ。 関西広域連合は災害廃棄物の広域処理に協力するため、がれきの放射性セシウムの濃度を1キログラム当たり100ベクレル以下などとする統一基準を設定。三木市は、放射性セシウムがこの基準値以下であると国が証明することも条件に挙げた。 同市内には関西最大級の民間の最終処分場があるが、ここで埋め立てることになれば、同市は拒否の意思を示す方針だという。実際には、神戸沖処分場で焼却灰を最終処分するかどうかも決まっておらず、処
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く