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ブックマーク / lessor.hatenablog.com (55)

  • 未来のための総括(2) - 泣きやむまで 泣くといい

    前回の続き。 支援費制度導入まで知的障害児者の「地域生活支援」はどんなものだったか、と言えば、地域ごとにばらばらな補助制度に支えられた(あるいは全く何の制度的支えもない中で)ものすごく熱意ある事業者ぐらいしか、使えるものが無かった。知的障害の分野で一定の質と量を保ってレスパイトサービスができているとか、ホームヘルプができているとかいうのは先進地の話であり、そんな事業者は全国的にも有名なところばかりだった。ひとつの地域で、使えるものが2つも3つもあるなんてことは無かった。「地域生活支援」の定義をしていないが、ひとまず作業所や授産施設等の通所先の話はおいておこう。ここでは、通学や通所以外の部分の社会資源不足に焦点をあてる。子どもたちとの関連も深いので。 2003年、当事者や関係者には「支援費制度がはじまります」とパンフレットが配られ、各地で「申請しよう」という機運が高まっていった。知的障害分野

    未来のための総括(2) - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/10/07
    自分が辞めた年が2002年。どう転ぶのか期待と不安めいたものは大きかったですよね。利用者の方に主体をもってこうとする雰囲気はあった。京極高宣さんがブレーンだったか。検証、すごく大切な作業だと思います。
  • 未来のための総括(1) - 泣きやむまで 泣くといい

    さて、そんなわけで障害福祉関係者以外にはほとんど関心を抱かれないであろう支援費および自立支援法の総括をはじめないといけないわけである。うまくいかないことだらけで、いま全く元気はないのだけれど、先日の記事の中で宣言してしまった以上は、やらなければ。 ただ、どんな手順でやるか。それぞれの制度が自ら掲げた目的に照らしてどう評価できるか、と見ていく方法もあるだろうし、単純に自分が支援をしている人たちにとって、これらの制度がどう作用したのか、と見ていくこともできる。 前者がきっちりできたらいいけれど、実際には後者が中心になってしまいそうな気もする。まずは支援費から。たぶん回顧録的になる。そして、そんなに時間がないので、ちびちびと書いていく。 思い返せば、支援費制度で強調されたのは利用者と事業者の「対等な関係」やサービス利用における「自己決定」だった。「措置制度」に対する「契約制度」という構図である。

    未来のための総括(1) - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/09/29
    「問題は、措置か契約かということではなくて、使えるものがあるかないか、だった。だから「選べる」ほどに社会資源がなければ、使う側には何の恩恵も感じられない。」
  • メモ - 泣きやむまで 泣くといい

    自立支援法訴訟 (続) 訴訟のオトシドコロは? http://www.satosho.org/satosholog/2009/09/post-fdb5.html 2 かりに和解をするとして、金銭以外の条項を国との間でいれないと弁護団としては、和解しにくいのではないかと思います。その場合、総合福祉サービス法の中身についてなんらかの手当を要求したり、障害者行政についてのなんからの国の活動を要求する和解条項が主張される可能性があります。そのような和解がかりに成立した場合、提訴原告以外の国民にどのような影響があるのか、これが大変に興味ある問題です。 司法を通じた、それも和解を通じた政策提起は、障害者の問題にとどまらない、現代社会におけるシステムアドボカシーの役割と問題点、裁判の社会的役割を考えさせる大変に興味ある論点です。

    メモ - 泣きやむまで 泣くといい
  • 執行猶予に「障害者」は何を思うだろう - 泣きやむまで 泣くといい

    献身介護の夫に猶予判決=「再発防ぐ」と保護観察−殺害未遂で裁判員裁判・山口(時事通信) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090909-00000081-jij-soci 寝たきりの(60)を殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた無職岩崎政司被告(63)の裁判員裁判で、山口地裁(向野剛裁判長)は9日午後、懲役3年、保護観察付き執行猶予4年の判決を言い渡した。被告との関係を重視し、再犯を確実に防ぐには保護司などの指導が必要とした。検察側は懲役4年を求刑し、弁護側は懲役3年、執行猶予4年が相当と訴えていた。 事件の実質審理期間は半日で、これまでの裁判員裁判では最短。執行猶予と保護観察を付した判決は、同日午前の神戸地裁に続き2件目。 罪の成立に争いはなく、被告は「長年の介護に疲れ、楽になろうと思った」と供述しており、量刑が注目されていた。 判決は

    執行猶予に「障害者」は何を思うだろう - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/09/19
    「国レベルで介護制度を反省させる契機はどこにあるのだろう。それが見えないから、この判決と報道は少し不気味である。」なるほど。
  • 予想通り - 泣きやむまで 泣くといい

    民主のマニフェストを紹介するだけというのはやはり公平じゃないと思うので。自民党マニフェストの障害者関連部分。 自民党の政策「みなさんとの約束」 http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank.pdf 障害者施策の充実 障害者自立支援法を抜的に見直して、利用者負担の応能負担への見直し、障害者がそれぞれの暮らしに相応しい支援を受けるための相談支援体制の強化等を行う。利用者負担については大幅な軽減の継続に加え、障害者や障害のある子供を抱える家庭に配慮し、さらなる改善を目指す。また、平成21年4月に報酬の5.1%引き上げを行ったところであり、障害福祉サービスの質の向上、良質な人材の確保と事業者の経営基盤を安定させる。さらに、都道府県に設置されている障害者自立支援対策臨時特例基金に積み増しを行い(約1500億円)、福祉・介護人材の処遇改善等を

    予想通り - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/08/01
    なるほどなあ。コミュニティの項目はやばいっすね。隣組とか防空演習とか自警団とかを想起させもします。ボランティアの動員という感じ。
  • 同じことを言っている。が、同じでは済まない。 - 泣きやむまで 泣くといい

    民主党のマニフェストが出た。暑さと長いケア労働時間に早くもバテ気味だが、触れないわけにもいかない。悪い意味で。 26.「障害者自立支援法」を廃止して、障がい者福祉制度を抜的に見直す 【政策目的】 ○障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会をつくる。 【具体策】 ○「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮称)を制定する。 ○わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、「国連障害者権利条約」の批准に必要な国内法の整備を行うために、内閣に「障がい者制度改革推進部」を設置する。 【所要額】 400 億円程度 自民党から、自立支援法を応能負担にして、発達障害者等も含めていく改正案が出されていたと思うのだが(そして、この解散でお蔵入りとなったと思うのだが)、いったいどう違うのだろう。 「障害者

    同じことを言っている。が、同じでは済まない。 - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/07/29
    「法の施行後3年で成し遂げられた改正としてはよくがんばったのではないか、ということ。今回予定されていた改正で、地域生活がパーフェクトだと言うつもりは全くありません。」政権交代が地道な努力を壊す側面かな
  • 7月20日はソーシャルワーカーの日 - 泣きやむまで 泣くといい

    ・・・なのだそうな。全く知らなかったが、4月に決まっていたらしい。 手元に資料がある。その文末脚注。 ソーシャルワーカーは、全ての人を(海には国境がない、一つである)、力強く(海にはパワーがある)、かけがえのない存在として(海は人類の母胎である)、支援する実践者であることから、その象徴としてソーシャルワーカーデーを「海の日」に設定しました。 うわあ・・・。 ちなみに「これを契機に社会福祉専門職であるソーシャルワーカー(日では基的に社会福祉士及び精神保健福祉士をいう)の社会的認知を高め、国民のソーシャルワーカーに対する関心と理解を広げる」のが目的らしいので、無資格者はもちろん、それ以外の資格しかもたない方は待遇改善などあきらめてください。 いやあ、さぞかし「社会福祉士」って優秀なのでしょうねえ(うちの法人職員にもいるけど)。で、その人たちはどんな特別な能力をもっているのでしょう? 「職域

    7月20日はソーシャルワーカーの日 - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/07/19
    かつて海の日は「海の記念日」とよばれてたらしい「明治天皇の東北地方巡幸の際、それまでの軍艦ではなく灯台巡視の汽船「明治丸」によって航海をし、7月20日に横浜港に帰着」(wiki)に因むらしい。なんか日も良くない
  • 4割 - 泣きやむまで 泣くといい

    社会福祉学会誌、届く。 論文10のうち、「知的障害」関連が4。単に「障害」なら5。実践報告がひとつあり、それも「知的障害」。資料改題もひとつあり、それも「障害・病気」。 この研究の活発さと現場の変わらなさをいったいどう理解したらよいのだろうか。どこか特定の現場は変わっているのか? それも心理学でも精神医学でもなく「社会福祉学」の成果によって変わっているのか? いくつかの論文に目を通しただけでも言いたいことはたくさん出てくるが、ここのところ睡眠時間が極端に少ないので、また日を改めて書く。 研究内容とは関係ないけど、最近の論文「謝辞」多くない?

    4割 - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/06/07
    う~ん、知的障害が流行なのか。必ずしも役に立つ=いいものばかりとは思わないがソーシャルワーク的思考(環境と個の複層的な媒介)が皆目日本社会の文法の一つになってない?使っているのに言語化さないみたいな。
  • タイトルが素晴らしかったので - 泣きやむまで 泣くといい

    社会福祉学は「知的障害者」に向き合えたか 作者: 中野敏子出版社/メーカー: 高菅出版発売日: 2009/04メディア: 単行購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 一気に読み終えられるかと思ったが、ずいぶん時間がかかった。 貴重なであることは間違いない(特に書き下ろし部分)。知的障害者福祉論の学説史をまとめようとする人はあまりいないだろうし、これまで見たこともない。知的障害者福祉研究ひとすじでやってこられた著者らしい仕事である。先行研究についてレビューするときの手がかりが得やすくなったという点で、これからの研究者の仕事に寄与するところは大きい。 ただ、この内容を評価するのはなかなか難しい。「発見」の多いかと言えば、そうは言えない。そして、良くも悪くも「社会福祉学」的なまとめられ方をしている。良く言えば多角的だが、悪く言えば議論の焦点が定まりきらないまま

    タイトルが素晴らしかったので - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/05/01
    中野敏子『社会福祉学は「知的障害者」に向き合えたか』興味あります。生活っていう言葉は使い方が広すぎたり、意外と含意によっては厳しい時もある。今までとちがうフレームで整理することの意義はありそうです。
  • 政令指定都市でさえ - 泣きやむまで 泣くといい

    エスカレーター介助(エレベーターがないから)のために、隣の駅から駅員が電車に乗ってかけつけるのを待たされるという初めての経験。観光地がこんなことで大丈夫なのだろうか…。こんなに待たされるぐらいなら、自分でやりますけど。私鉄の駅員が「介助しなきゃ」という義務感をもつようになって、便利になったのか、不便になったのか。 移動に往復5.5時間。雨天も重なって、くたくた。

    政令指定都市でさえ - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/04/27
    「 エスカレーター介助(エレベーターがないから)のために、隣の駅から駅員が電車に乗ってかけつけるのを待たされるという初めての経験。」自分のガイヘル時代ですらこんなおかしな対応聞いたことない。やばすぎ
  • 社会福祉学の反省 - 泣きやむまで 泣くといい

    高沢武司(1970)「社会事業における『実践』の問題とその理論的基盤 ―社会事業理論をめぐる状況についてのノート―」『社会福祉研究』6、28-34。 「実践」に値いする実践が研究者にはみえないところで展開され、創造され、逆に啓蒙的に「実践」が研究者によって空疎に語られていることほど不幸なことはない。(31ページ) いままで演出された論争は、大部分、研究者と研究者の間での檜舞台でおこなわれ、そして「社会科学の一部門に属する学問体系」になり、「政策学」になってしまっている。私にいわせれば、論争の相手は、理論の世界で敵対する相手よりも、現場の実践家として自己の影響下にあり、自己の理論創造の源泉となっているすぐれた実践家に見出し、かれを徹底的に批判すべきであろうと思う。それは、必ず、大きなはねかえりに逢うことになろう。しかし、これは理論が錬えられるためには欠かせない筋道なのではないだろうか。(34

    社会福祉学の反省 - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/04/24
    「「実践」に値いする実践が研究者にはみえないところで展開され、創造され、逆に啓蒙的に「実践」が研究者によって空疎に語られていることほど不幸なことはない。」高沢武司(1970)図書館にあるかな?
  • 3連戦終わる - 泣きやむまで 泣くといい

    3日で30時間以上のガイド、行動援護。その間に電車での移動距離が300キロぐらい。金曜は隣の県まで。土日は隣の隣の県まで。移動時間以外はほとんど屋外。カゼ薬を飲みながら乗り切ったが、とてつもなく疲れた。年度末の1週間を控えて、これはつらい。 例の高齢者施設の火災は、防火設備のない現場の気持ちを引き締めさせるものだったと思うが、そんなことより「禁煙」とか「喫煙を黙認」とか「職員は注意せず」って何だ。「施設のルールを利用者も職員も守れてなかったのがよくない」みたいな話になりかけているのが当におそろしい。そして、これほどまでに悲惨な資源状況であるにも関わらず、その点については事件が大した影響を及ぼしそうになく、行き着く先はせいぜい安全性チェックの強化でしかないということはもっとおそろしい。

    3連戦終わる - 泣きやむまで 泣くといい
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/03/23
    「行き着く先はせいぜい安全性チェックの強化でしかないということはもっとおそろしい。」
  • 自閉症の障害学がはじまる - 泣きやむまで 泣くといい

    今日、書店で見つけて、いま風呂で半分ほど読んだ。 自閉症の社会学―もう一つのコミュニケーション論 (SEKAISHISO SEMINAR) 作者: 竹中均出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2008/08/01メディア: 単行購入: 9人 クリック: 150回この商品を含むブログ (15件) を見る これはすごい。 自閉症研究にも障害学にも足らない(ように自分には思えていた)問題意識を、しっかりと社会学に軸足を残しながら深めている。自閉症研究に社会学的な視点がもちこまれるのは、これまでもっぱら「自閉症の社会的構成」を暴露しようとする文脈の中だったように思う。それはそれとして有意義だけれど、ずっと物足らなさを感じていた。自閉症者と定型発達者の分断がいかに社会的に生み出されたのかをアピールしても、行き着く先は「私たちは連続している」ということに過ぎず、問い直されるものが小さすぎやしないか

    自閉症の障害学がはじまる - 泣きやむまで 泣くといい
  • 発達アセスメント - 泣きやむまで 泣くといい

    子どもの理解と支援のための発達アセスメント (有斐閣選書) 作者: 郷一夫出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2008/08/04メディア: 単行 クリック: 9回この商品を含むブログ (4件) を見る 社会福祉の固有性だとか、環境の中の個人だとか言うばかりでなく、こういうことをきちんと大学の福祉系学部でも習うようにしたほうがよいのではないだろうか。少なくとも、障害児に関わる限りは。障害児は福祉制度の谷間にあるが、専門職教育制度の谷間にもある。 余談だけれど、職員が休日に「AAPEP」なるものの研修に行っていたことが発覚。「自分でもまだよくわかっていないので、黙っていた」とのこと。謙虚さは大事だが、他の職員にとって刺激になる話なのに、もったいない。これは、アセスメントや個別支援計画にも活かせるじゃないか。

    発達アセスメント - 泣きやむまで 泣くといい
  • 「福祉」にとって都合のいい「教育」なんて必要ない - 泣きやむまで 泣くといい

    養護学校の評議員会に出席。 学校からいろいろな報告など受けた後、質問や意見など求められたので、この半年ぐらい思っていたことを話してみた。評議員会の終了後、管理職からこっそりと感謝の言葉をいただく。「元気が出る話をしてもらえた」と。 評議員会に出ると、立場上、「福祉と教育の連携」について話をしなければならない。 「連携の強化」は学校としてもひとつの目標としているし、個別の教育支援計画の中では福祉資源についての情報も含まれる。学校は子どもが長い時間を過ごしている場所であるのだから、子どもを放課後にケアしている「福祉」サイドにとっても連携は大事な課題である。ここ数年、学校と福祉関係者がいっしょにケース会議に参加することも増えた。 そんな中、福祉資源は絶対的に不足している。 卒業後の就労先、通所先も足らないし、放課後の支援も足らない。学校には、子どもの保護者からも不安や不満が語られる。「なんとかな

    「福祉」にとって都合のいい「教育」なんて必要ない - 泣きやむまで 泣くといい