象徴すなわちシンボルsymbolとは王冠が君主政治を、花嫁の着る白無垢(しろむく)が純潔を表すように、ある物や事を別の事によって表すことを象徴あるいはシンボルという。象徴人類学とは、欧米とくにアメリカを中心に1960年後半から1970年代にかけて盛んであったかなり広い動向を含む文化人類学の一領域である。これは、文化を比較的自律的な実体として、意味の体系としてとらえ、人類学はこれを解読あるいは解釈していくものとする。こういう研究はアメリカのギアツCliford Geertz、ターナーVictor Turner、シュナイダーDavid Schneiderの3人によって創始されたといってよい。彼らは1970年ごろに小期間シカゴ大学人類学科に同時に所属していたことがある。ギアツとシュナイダーはともにハーバード大学の社会関係学部の社会学者パーソンズTalcott Parsonsの影響を受けた。ターナ