社会科学者の時評: ■ 書評の批評：竹内 洋『革新幻想の戦後史』■
◎ 書評のあれこれを考える ◎ 【 個性・利害・思想などが表象される諸書評の特性など 】 ① 竹内 洋『革新幻想の戦後史』中央公論新社，2011年10月 本書はＢ６判で本文から索引まで 546頁の大部である。定価は2800円，読みでがある本である。竹内は本書をもって「左翼的でなければ相手にしてもらえない雰囲気は，戦後，どのように形成され変質したのか。渦中を見てきた社会学者が自分史として綴る」。 「戦後社会では，さまざまな空間を革新勢力が席捲していった」けれども，「そうした雰囲気は，多分に焚きつけられ，煽られたものであった」。「誰が，どのように時代の気分を誘導したのだろうか」。「また，それはどのように，その後のねじれた結果をもたらしたのか」と「膨大な文献資料から聴き取り調査までを駆使し，いまにつながるその全貌に迫る」論及をおこなっている。 本書のもくじは，こうなっている。 はじめ
社会科学者の時評: ■ 日本国憲法「天皇国事行為」などの問題 ■
◎ 天皇のお言葉「問題」◎ 【誰がなにをいうと，どのような問題があるのか？】 ① 岡田克也外務大臣の「天皇の立場」に対する発言 今日〔2009年10月28日〕『朝日新聞』朝刊「声」欄に，翻訳家（男性：54歳）が，岡田克也「外相発言，率直さ許容したい」という見出しの文章を投稿していた。岡田外相のその発言は『国会開会式のお言葉「陛下の思いを少しは」』というふうに，新聞が報道していた。 岡田克也外相は〔10月〕23日，閣議後の閣僚懇談会で，国会開会式での天皇陛下の「お言葉」について,「陛下の思いが少しは入ったお言葉をいただくような工夫はできないか考えてもらいたい」と提起した。これに対し，平野博文官房長官は「意見は承った」と引きとった。国事行為である国会召集のさいのお言葉に，天皇の考えを盛りこむことを促した発言で，波紋を広げそうだ。 この日の閣議では，〔10月〕26日の臨時国会開会式での天皇陛下
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