「設計主義的合理主義」の限界 世界的金融危機のなか、フリードマンなどに代表される「新古典派」が主張してきたネオ・リベラリズムへの批判が強まっている。 国家が出来るかぎり経済過程に介入することは避け、市場原理にまかせて自由な競争を行うことが経済の発展につながるとするネオ・リベラリズム。 市場原理主義では政府の役割放棄にしかならず、格差や貧困は放置されるだけだ。 しかし、そこから市場経済そのものまでも串刺し的に否定することは間違っている。 過度な自由主義が大きな問題を抱えていることは言うまでもないが、だからといって市場経済を否定しても問題は解決しない。 ましてや社会主義的な計画経済の不可能性は歴史的に明らかであり、市場が果たす積極的な役割についてはきちんと踏まえておく必要がある。 その点で、今世紀初頭の社会主義経済計算論争から一貫して自由主義を主張し、社会哲学として自由主義と市場の関係を