タグ

ブックマーク / sunchan2004.hatenadiary.org (8)

  • P・W・シンガー『戦争請負会社』書評 - 徒然なる備忘録

    戦争請負会社 作者: P.W.シンガー,Peter Warren Singer,山崎淳出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2004/12/22メディア: 単行購入: 4人 クリック: 106回この商品を含むブログ (125件) を見るこれほど内容のまとめに手間をかけたはない。しかしそれだけの作業に値するである。書の原典Corporate Warriors: The Rise of the Privatized Military Industryは、2003年に出版され、同年に、アメリカ政治学協会から「2003年最優秀政治学図書」としてグラディス・M・カメラー賞を受賞している。書は、理論と実践の両方において、国際政治学に新たな研究領域を切り開く内容になっている。国際政治にせよ開発問題にせよ人道的介入の問題にせよ、この新たに出現した画期的な現象を素通りして論じることはもはや不可能

    P・W・シンガー『戦争請負会社』書評 - 徒然なる備忘録
  • 沖縄の基地 - 徒然なる備忘録

    沖縄へは今までに三度行ったことがある。自分の思い込みかも知れないが、地元の人と話していて壁を感じたり、時々観光客に対する刺すような視線を感じることがあったように思う。沖縄の米軍基地の現状に、表面的に何とかしなければという気持ちを持っても、自らは負担を負う気もなく、明るい面だけ見て気楽に観光を楽しんでいるような県外の人間に対して、怒りや諦めがあるのだろうと思う。 7月6日(火)の朝日新聞朝刊で、社会学者の小熊英二のインタビューが掲載されている。沖縄の米軍基地についてのインタビューである。 ――沖縄の仲井真弘多知事は、基地負担の現状について、「差別に近い印象すら持つ」と述べました。 「沖縄側が差別と受け止めるのはよくわかります。そもそも中国北朝鮮がどの程度の脅威なのか議論が詰められないまま、抑止力として米軍基地が沖縄になくてはならないと頭から説かれている。しかし沖縄にこれほどの米軍基地は必要

    沖縄の基地 - 徒然なる備忘録
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2010/09/25
    「与えられている情報が少ない時、人はすぐに「通説」に寄りかかろうとする。それが一番楽に「自分はちゃんとこの問題について考えている」というポーズをアピールできるからである。」
  • 日本人の事なかれ主義は女のせい? - 徒然なる備忘録

    American Pie Slice of Life Essays on America and Japan 作者: ケイヘザリ,Kay Hetherly出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2000/11/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 26回この商品を含むブログ (13件) を見る 日米文化比較のエッセイ集、 Kay Hetherly, American Pie: Slice of Life Essays on America and Japan が面白い。電車の中で読むにはうってつけです。 おすすめはたくさんありますが、中でも「Everyday Heroes」と題するエッセイがいい。筆者が映画やドラマで目にしたアメリカと日の考え方の違いが面白かったです。 日のドラマで、例えば女性とデートしている若いサラリーマンが出てきたとします。夜に二人が歩いていると、偶然暗い路

    日本人の事なかれ主義は女のせい? - 徒然なる備忘録
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2010/09/25
    「しかし現実には、その被害者は容易にあなたの隣人になりうるのです。あるいはその被害者はあなた自身になるかも知れません。あるいはあなたの愛する人かも。そんな時、人は群衆の中の誰かがヒーローになって」
  • 協働の効用 - 徒然なる備忘録

    勉強にしてもスポーツにしても、その他の趣味にしても、好き嫌いの分かれ目は「協働の楽しさ」を知らないことから来るような気がする。授業中にわからない問題に遭遇すると、一人でウンウン悩んでずっと先へ進めない子がいる。なぜとなりの友達に聞かないのだろう?テストじゃないんだから、相談しながら共同でやれば楽しくなるのに。そういう意味での「私語」は必要だと思う。「この科目が嫌い」という時の根拠は、協力して一つの目標に向かうプロセスの楽しさを知らないからではないか。掃除や洗濯でも友達と一緒に会話しながらやったら楽しいだろうし、自炊だってキャンプなどで仲間たちと一緒にやったら時間も忘れるくらい楽しくなる。 アメリカ教育にも問題は多々あるけど、これまでの日教育に不足していてアメリカから見習うべき要素の一つは、グループによる調べ物学習のさらなる増加だと思う。複数の人間が関与することで、情報にたどりつく経路

    協働の効用 - 徒然なる備忘録
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2010/07/29
    「相談しながら共同でやれば楽しくなるのに。そういう意味での「私語」は必要だと思う。「この科目が嫌い」という時の根拠は、協力して一つの目標に向かうプロセスの楽しさを知らないからではないか」
  • アンドレ&レジュロン『他人がこわい』書評 - 徒然なる備忘録

    他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学 作者: クリストフアンドレ,パトリックレジュロン,Christophe Andr´e,Patrick L´egeron,高野優,野田嘉秀,田中裕子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2007/03/01メディア: 単行購入: 3人 クリック: 46回この商品を含むブログ (8件) を見る 翻訳書であることとタイトルからして、正直初めはあまり期待していなかったのだが、読み進めるうちに意外な名著であることに気づいた。とてもわかりやすくて面白く、およそ300ページもそれほど苦痛ではなかった。精神疾患と診断されるほどに対人関係に対する恐怖心を感じる人が、かなりの割合で存在することも知った。内気・あがり症は程度の差はあっても誰にでも存在する要素で、それだけで病気とは言えないものだが、軽度だからといって放置したまま重度の社会恐怖に陥ってしまった人

    アンドレ&レジュロン『他人がこわい』書評 - 徒然なる備忘録
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2010/07/29
    「しかし、これだけ社会恐怖に悩んでいる人が増えている事実からして、そのような人たちに向き合って話を聞く医師や場がこれから必要とされていくのではないか」
  • 「上から目線」って何だ? - 徒然なる備忘録

    を滅ぼす「自分バカ」 (PHP新書) 作者: 勢古浩爾出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/04/16メディア: 新書 クリック: 51回この商品を含むブログ (11件) を見るバカにつける薬 (双葉文庫) 作者: 呉智英出版社/メーカー: 双葉社発売日: 1996/07メディア: 文庫 クリック: 30回この商品を含むブログ (55件) を見る 最近あちこちで耳にする、「上から目線」っていう言葉。勢古浩爾も『日を滅ぼす「自分バカ」』(PHP新書)の中で、 「上から目線」「上からものをいう」などというのである。いい歳をしたおやじまでもがこんな言葉を遣うのである。見くびられはしないか、見下されてはいないかと、つねに神経がピリピリしているのだ。(60頁) って書いているけど、確かに嫌悪感を覚える言葉である。でもなんで嫌悪感を覚えるのかあまりじっくり考えたことはなかった。 昨

  • 船津衛「『自我』の社会学」評 - 徒然なる備忘録

    岩波講座 現代社会学〈2〉自我・主体・アイデンティティ 作者: 井上俊出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/12/04メディア: 単行購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (6件) を見る船津衛「『自我』の社会学」井上俊他編『岩波講座現代社会学2 自我・主体・アイデンティティ』(岩波書店、1995年) 論稿は、「人間の自我は孤立したものではなく、常に他の人間との関係において社会的に形成されるものである」(46頁)という社会学における命題を、ミードやゴッフマンやターナーといった社会学者の業績を参照しながらわかりやすく解説したものである。社会学の予備知識がなくても読むことができ、「『自我』の社会学」がいかなるもので、いかなるゴールを目指しているのかがよくわかる論文であった。 先に引用した社会学の命題は、現代ではすでに自明のことのように感じられるが、実際には近代の弊

    船津衛「『自我』の社会学」評 - 徒然なる備忘録
  • 石川准『アイデンティティ・ゲーム』1、5章 - 徒然なる備忘録

    アイデンティティ・ゲーム―存在証明の社会学 作者: 石川准出版社/メーカー: 新評論発売日: 1992/10メディア: 単行 クリック: 13回この商品を含むブログ (7件) を見る自分の論文の参考になりそうな第1章と第5章のみを読了。船津衛の「『自我』の社会学」と非常に関連性があって、わかりやすい内容だった。第1章「人は存在証明に躍起になる」では、書の導入部として、「なぜアイデンティティは必要とされるのか」「アイデンティティを失ったとき、人はどのようにそれに対処するのか」という問いに対して、社会学が出している一般的な解答をわかりやすく説明している。 まず、個人のレベルで考えた場合、人間が存在証明に躍起になるのは、人間は「自分がいかに価値のある人間であるか」(15頁)を証明せずにはいられない生き物であるからだと述べられている。 なぜわれわれは存在証明にそんなにも熱心なのだろうか。それは

    石川准『アイデンティティ・ゲーム』1、5章 - 徒然なる備忘録
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2009/11/12
    「なぜわれわれは存在証明にそんなにも熱心なのだろうか。それは次のように考えなければ説明がつかない。すなわちわれわれは、自分という存在そのものには何の価値もないと信じているということ」(石川准同書より)
  • 1