「全聾(ろう)の作曲家」として活動していた佐村河内(さむらごうち)守さんが「法律上の聴覚障害に該当しない」として障害者手帳を返納した問題で、NPO法人東京都中途失聴・難聴者協会が27日、都庁で会見し、「障害者手帳を持っていない人も聞こえない人がいる」と訴えた。 同協会によると、現行の障害者手帳の制度では、1メートル離れた所で普通の会話音が聞き取れない程度だと手帳は取得できない。国内に数百万人いるといわれる聴覚障害者のうち、手帳の保持者は35万人にとどまる。約700人の会員がいる同協会でも、100人余りが手帳を持っていないという。 佐村河内さんが謝罪会見をした今月7日以降、「障害者手帳を持っていなければ聞こえるのではないか」という誤解が広がっている。同協会は「軽度や中程度の難聴でも、言葉の聞き分けが難しい方が多くいる」と説明している。 新谷友良理事長(65)は、40代のころから聴力が低下し、