原爆の開発を指揮した理論物理学者、ロバート・オッペンハイマーが、終戦の19年後に被爆者とアメリカで面会し、この際、「涙を流して謝った」と、立ち会った通訳が証言している映像が広島市で見つかりました。専門家は「実際に会って謝ったことは驚きで、被爆者がじかに聞いたというのは大きな意味がある」としています。 ロバート・オッペンハイマーは、第2次世界大戦中のアメリカで原爆の開発を指揮した理論物理学者で、原爆投下による惨状を知って苦悩を深めたと言われていますが、1960年に来日した際は、被爆地を訪れることはなかったとされています。 今回見つかった映像資料は、1964年に被爆者などが証言を行うためにアメリカを訪問した際、通訳として同行したタイヒラー曜子さんが2015年に語った内容を記録したもので、広島市のNPOに残されていました。 この中でタイヒラーさんは、訪問団の1人で、広島の被爆者で理論物理学者の庄
宮城県出身の漫画家、石ノ森章太郎さんの代表作「サイボーグ009」の連載開始60周年を記念して、砂でキャラクターを描いた「サンドアート」が完成し、16日にお披露目されました。 石ノ森章太郎さんの代表作「サイボーグ009」は、1964年に漫画雑誌「週刊少年キング」で連載が始まり、ことしで60周年となります。 これを記念して「サイボーグ009」のキャラクターを砂で描いた「サンドアート」が制作され、宮城県石巻市にある石ノ森萬画館の前の広場でお披露目されました。 作品には、およそ50トンの砂が使われ、サイボーグ戦士の9人と「ギルモア博士」が立体的に描かれています。 訪れた人たちは、幅およそ4メートル、高さおよそ3メートルの作品を写真に収めるなどして楽しんでいました。 仙台市から訪れた9歳の男の子は「キャラクターを忠実に再現できていて、すごいです」と話していました。 作品を手がけたサンドアーティストの
労災で妻を亡くした男性が、法律の規定により遺族補償年金を受けられないのは不当だとして国を訴えた裁判が始まりました。規定では、残された家族が妻の場合は年齢制限がありませんが、夫の場合は54歳以下だと支給を受けられないため、男性は「不当な差別だ」と訴えていて、これに対し国は争う姿勢を示しました。 東京都に住む54歳の男性は5年前の2019年に団体職員だった妻を亡くし、長時間労働などが原因だったとして労災に認定されましたが、男性が国に遺族補償年金を申請したところ、認められませんでした。 労災保険法では、残された家族が妻の場合は年齢に関係なく遺族補償年金を受けることができますが、夫の場合、妻が死亡した時に54歳以下だと受けることができないとされていて、男性はこうした規定は不当な差別で憲法違反だとして国に処分の取り消しを求めています。 13日、東京地方裁判所で裁判が始まり、原告の男性が意見陳述を行い
「ドクターイエロー」は、東海道・山陽新幹線の線路を営業車両と同じ速度や条件で走行しながら、線路にゆがみがないかや設備に異常がないかなどを検査する車両です。 これについて、車両を保有するJR東海とJR西日本は、老朽化などを理由に運行を終える方針を正式に発表しました。 JR東海の車両は2025年1月、JR西日本の車両は2027年をめどに運行を終えるということで、ドクターイエローは2つの編成いずれも引退することになります。 引退後の線路などの検査は「のぞみ」などとして運行されている「N700S」という車両に専用の機器を取り付けて行われる見通しで、これまでのように検査の専用車両は投入しないということです。 今のドクターイエローは700系の新幹線をもとに作られた7両編成の車両で、およそ10日に1度の頻度で走行しています。 ただ、イベントなどを除けば一般の客は乗ることができず時刻表も公表されていないた
熊本県内で路線バスや鉄道を運行する5つの事業者が、運賃の決済手段のうち全国交通系ICカードを年内にも廃止し、今年度中にクレジットカードなどのタッチ決済を導入する方針を決めました。 これは27日、県内で路線バスや鉄道を運行する九州産交バス、産交バス、熊本電鉄と熊本バス、それに熊本都市バスの5つの事業者でつくる「共同経営推進室」が会見で発表しました。 それによりますと、運賃の支払いに使われる全国交通系ICカードに対応する機器の更新時期が迫り、検討を進めた結果、更新にかかるコストが大きいことなどから、年内にも廃止することを決めたということです。 コストが半分程度に抑えられるとして、今年度中にクレジットカードなどのタッチ決済に対応する機器を導入する方針だとしています。 一方、現金での支払いや地域限定型の交通系ICカード「くまモンのICカード」は、継続して利用できるということです。 共同経営推進室に
鉄道愛好家や識者による団体「鉄道友の会」がことし最も優れた新型車両に贈る「ブルーリボン賞」など2つの賞に、東武鉄道の新型特急の車両と宇都宮市などを走るLRT=次世代型路面電車の車両が選ばれました。 「鉄道友の会」は23日、全国の鉄道の新型車両から、ことしの最も優れた新型車両に贈られる「ブルーリボン賞」と技術面で優秀な車両に贈られる「ローレル賞」を発表しました。 「ブルーリボン賞」には、東京 浅草と、栃木県日光市を結ぶ東武鉄道の新型特急「スペーシアX」の「N100系」が選ばれました。 外観の窓枠が、伝統的な「組子」の技法を連想させ、車内にも江戸の文化をイメージした色彩が施されるなど歴史や文化を現代と融合させたデザインなどが高く評価されました。 また、「ローレル賞」には、宇都宮市などを走るLRTの「HU300形」などが選ばれました。 大きな窓や低い床などで乗客の利便性と快適性を高め、黄色を基調
長野県の第三セクター「しなの鉄道」は来年度中にすべての駅で交通系ICカード「Suica」を使えるようにする方針を固めました。相互乗り入れしているJR東日本は県内で「Suica」が使える駅を来年春ごろから拡大する予定で、これによって利用客の増加につなげるねらいがあります。 北陸新幹線の開業に伴い全国初の並行在来線として開業した「しなの鉄道」は、JRの信越本線に乗り入れる形で、軽井沢駅から長野駅と、長野駅と妙高高原駅とを結ぶ2つの路線を運行しています。 関係者によりますと来年春ごろからJR東日本が「Suica」が使える長野県内の駅を拡大することに伴い、「しなの鉄道」でも来年度中にすべての駅で使えるようにする方針を固めました。 交通系ICカードの導入には大きなコストがかかるため「しなの鉄道」はこれまで見送ってきましたが、沿線の人口が減少する中、利便性を向上することでインバウンドや首都圏からの利用
北陸新幹線の沿線自治体でつくる「建設促進同盟会」の大会が金沢・敦賀間の開業後、初めて開かれ、着工が先送りされている敦賀より西の区間について、「小浜・京都ルート」での一日も早い認可と着工を国に求める決議が採択されました。 北陸新幹線の敦賀より西の区間については、福井県小浜市を通ったあと京都府を南下して京都駅や新大阪駅を結ぶ「小浜・京都ルート」での建設が計画されていますが、京都府内での反対の声などで着工が先送りされていて、一部では滋賀県の「米原ルート」の再考を求める声が上がっています。 こうした中、22日、東京都内で沿線の10の都府県でつくる「北陸新幹線建設促進同盟会」の大会が金沢・敦賀間の開業後、初めて開かれました。 はじめに、同盟会の会長を務める福井県の杉本知事が「ことし3月16日に敦賀まで北陸新幹線が延伸した。次はこの熱を敦賀から大阪まで運ばなければいけない。『小浜ルート』は1年半の議論
来年春に奈良市の本館を移転させる南都銀行は、地域活性化につなげようと、残される国の登録有形文化財の建物などの活用アイデアを募集しています。 南都銀行の本部機能が入る本館は、1926年に建てられたギリシャ様式の近代建築の旧館部分が、国の登録有形文化財となっていて、羊の彫刻がほどこされた円柱を4本並べた外観が印象的です。 現在、本館は奈良公園や猿沢池に近い奈良市橋本町にありますが、市内の大宮町に新しい建物を建設中で、来年の春に移転することにしています。 このため、4階建ての旧館を含め現在の場所に残される建物を、地域の活性化にいかそうと、活用方法のアイデアを広く一般から募ることにしました。 活用アイデアの募集は▼建築や都市開発などの専門家が対象のプロ部門と▼一般部門があり、それぞれ最大で8つの入賞作品を選ぶとしています。 周辺地域の文化・歴史や建物の価値などを考慮したうえで、固定概念にとらわれな
岐阜県瑞浪市にあるリニア中央新幹線のトンネル工事現場の周辺で、井戸などの水位が低下している問題で、JR東海は、このトンネル工事を直ちに中断すると明らかにしました。住民の不安に配慮するとともに、地元自治体の要請を踏まえた対応だとしています。 岐阜県瑞浪市大湫町では井戸や、ため池、共同水源の水位の低下が確認され、JR東海は、近くで行っているリニアのトンネル掘削工事の影響とみています。 この問題で、JR東海は5月16日に、現在の場所から200メートルほど先にある盆地の手前までトンネルを掘り進めたうえで、いったん工事を中断し、地質調査を行う方針を示していました。 しかし、JR東海は20日夜、このトンネル工事を直ちにに中断し、すみやかにボーリングなどによる地質調査を開始すると明らかにしました。 当初の想定より中断を早めたことについて、住民の不安に配慮するとともに、岐阜県と瑞浪市からの要請を踏まえた対
およそ600年前に朝鮮半島から日本にもたらされ、大津市の三井寺が所有するあらゆる経典を集めた大全集「元版一切経(げんぱん・いっさいきょう)」が新たに国の重要文化財に指定されることになりました。 国の重要文化財に指定されることになったのは、大津市の三井寺が所有するあらゆる経典を集めた大全集「元版一切経」です。 これは、14世紀に中国の元の寺によって印刷された「大般若経」や「法華経」など2892の経典がまとめられたもので、15世紀前半に朝鮮半島から日本にもたらされました。 その後、豊臣秀吉に仕えた毛利輝元が再建に携わっていた大津市の三井寺に寄贈したということです。 経典とともに元の時代の経箱も残っていて、日本の仏教や東アジアの文化交流の歴史を知る上で極めて価値が高いとしています。 滋賀県文化財保護課は「経典は、それが納められていた経箱も含めて保存状態がよく、貴重なものだ。今後、三井寺とも協議し
昭和60年に廃線になった、倉吉市の旧国鉄の倉吉線の跡地を散策する催しが行われました。 この催しは、地元の観光協会が春と秋に毎月数回開いていて、5日は県内外からおよそ50人が参加しました。 明治45年に開業した旧国鉄倉吉線は、現在の倉吉市内のおよそ20キロの区間を結んでいましたが、利用者の減少などにより昭和60年に廃線となりました。 5日はこのうち、旧関金駅からのおよそ4キロを散策し、しばらくは線路跡がいまは県道として利用されている区間を歩きました。 このあと、今もレールが残されている区間にさしかかると、参加者はレールをじっくりと観察したり青空のもとで山並みと一緒に写真を撮ったりして鉄道が活躍していた時代に思いをはせていました。 倉吉市から訪れた50代の女性は「昔は当たり前にあったものがなくなった寂しさはありますがとてもいい景色でした」と話していました。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く